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登校中は、マタールナとの化合に使える物質が道にないか少々探しながら歩く。
銅から構成されている酸化した空き瓶を見つけたため、持てる分だけ学校用カバンに入れておいた。
朝食をとらせてもらえずに早い時間向かっているからか、同じ学校の生徒が歩いている様子はまだ見かけていない。
小さい校門を通った先にある時計の針は、着席しなければならない時間よりも30分以上早い時間を指している。
教師に見つからないように理科室に行って炭酸水素ナトリウムなどを盗りたかったが、案の定鍵がかかっていた。
仕方ないので、一番乗りに教室に入る。
教室内のゴミ箱にはアルミニウムの物もあり、そのアルミニウムのゴミを全てカバンにつめた。
教室にマタールナとの化合に使える物質があるかもっと探したいところだが、同級生がこっちに来る足音が廊下から聞こえたのでやめておく。
久しぶりに見るこの教室は、私がいない日のときに席替えがされていたらしい。
教卓にある座席表を確認して、自分の席に着く。
教室の扉が開き、たしか出席番号が24番の男子と目が合う。
出席番号24番は少し驚いたようにこちらを見つめたが、すぐに自分の学校用カバンを置いてトイレの方に向かった。
(気まずかった……寝たフリでもするか。)
その後も続々と人が教室に入ってくる足音と、話し声が聞こえた。
私は机に突っ伏しているから、どんな様子かはあまり分からないが。
「あれって1つ目女じゃない?」
「あ、ホントだ。コイツ夏休み明けから1週間ぐらい来てなかったよね。」
「名前何だっけ?まあ、どうでもいいか。」
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授業は伊勢或斗から習ったものと同じ内容で退屈だった。
休み時間では周りの人が、常に私との距離をあけていてたまに変な物を見るような目で私を見ながら友人と話している様子だ。
(夏休み前も、というより片目失ってからずっとこんな対応されていたな……)
帰り学活が終わって学校から出る。
他の生徒達が帰路に着く中、私はドラッグストアに行った。
炭酸水素ナトリウムである、洗剤の重曹をいくつか買う。
次にホームセンターへ行き、銅板とアルミニウム製品を持てるだけ購入した。
(これで準備は整った。)
ホームセンターのトイレに入って、膣の奥から本来子宮だったところにあるマタールナを全て取り出す。
炭酸水素ナトリウムとマタールナを化合して、私とその所有物達を水素に見えるようにする。
さらにアルミニウムとマタールナの化合で、それらと周囲の酸素を自在に操れる状態にした。
外に出て、私と物質達を宙に浮かばせてどんどん浮かぶ標高を高くする。
目指す場所は、マタールナが大量にとれる星……月だ。