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至高素子論

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至高素子論

1 - 至高素子論

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2025年10月01日

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「……よし、送信っと!」


画面に表示された送信完了のマークを見て、思わず口角が上がる。


友人とのグループチャットで、アニメ映画の話題が飛び交っていた。


だが――今しがた送ったメッセージは、俺の言葉じゃない。


AIが用意した返答を、ただコピペして送信しただけだ。


最近はメールアプリにまでAI返信機能が搭載されている。

しめしめ……せっかくだから試してやろうと思った。


もちろん、その映画は観てもいない。

原作の漫画だって触ったことがない。


それなのに友人は熱心に感想を語ってくる。

なら、AIでどこまで話を合わせられるのか――実験してみたくなったのだ。


「さぁて……どんな反応するかな」


送信から十数秒後。


ピコン、と通知音。

返ってきたメッセージには――


友人「そうだよな! やっぱりあのシーンのここがあれで……!」


思わずニヤリとする。

……どうやらバレてないな。


「ふっ……面白い。もう少し続けてみるか」


罪悪感? いや、大したことじゃない。

どうせ後でネタバラシすれば、笑い話で済む。


俺は再びAI返信機能を叩き込む。

そして、自分の口調に少しだけ書き換えて送信した。


「な! あと、原作と違って脚本が変わってるのとか、コンパクトにまとまってて良かったよな!」


……完璧だ。


もちろん、この機能は俺の喋り方を完全にコピーするわけじゃない。

コピペした後、ちょっとした“自分らしさ”を混ぜる。

その工程すら楽しくなってきていた。


そろそろネタバラシするか――そう思った矢先だった。


ピコン。


新着メッセージ。


?「おいw」


俺でも、友人でもない。

残るはただ一人……グループのもう一人の友人B。


友人 B「お前ら、何適当な会話してんだよw 観てないじゃないかw」


その瞬間、背筋に冷たいものが走った。


まさか……!


「……ははっ。そういうことか」


画面を見ながら理解する。

俺だけじゃない。


アイツも――AIを使っていたんだ。


俺と友人。

互いに本心ではなく、AIの言葉で会話をしていた。


……なんて時代だ。


メッセージアプリに表示される文字列が、

本当に“本人の声”だと言えるのか。


AIは便利だ。

だが、だからこそ――不便で、不気味なことも起こる。


この世界はもう、そんな時代に突入しているのかもしれない。


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