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⚠原作の描写が多めです。
最終決戦2
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無惨の動きが止まった。珠世の薬が効いたのだろうか。
その時。
衝撃波が一同を襲った。全身が痙攣する者、気を失う者、遠く吹き飛ばされる者。その間に無惨が逃亡を試みる。
そこへ伊之助と善逸が攻撃を仕掛ける。
「伊之助踏ん張れ!!炭治郎はまだ生きてる!心音がする!」
善逸の声だ。
「炭治郎、生きることだけ考えろ!聞こえるか!?お前は死なない!絶対死なない!!禰豆子ちゃんと帰るんだ!人間に戻った禰󠄀豆子ちゃんと…!生まれ育った家に帰るんだ!家族みんな待ってる!2人が帰ってくるのを!!」
必死に叫ぶ善逸の言葉を遮るように、無惨の攻撃が飛んでくる。それをすんでのところで伊之助が食い止めた。
炭治郎は赫い日輪刀を身体に挿し、無惨によって狂わされた神経を整える。
一方、無惨は疲労により、息切れを起こし、技も思うように出せなくなっていた。
腕が上がらない。身体が重い。鉛のように……。
また立ち上がる。害虫共…!潰しても潰しても死なない。湧いて湧いて、何度でも立ち上がる。私の息の根を止める瞬間まで…!
伊之助、善逸、戻ってきた炭治郎が技を繰り出す。体力はとうに限界を超えていた。それでも戦う。無惨を倒すまで。
“日の呼吸・ 烈日紅鏡、陽華突!!!”
ドギャッ!!
炭治郎が刀で無惨を壁に突き刺した。しかし彼はもうこれ以上技を出せない。故に一秒でも長くここに無惨を縫い止めなくてはならない。
炭治郎に集中した無惨の触手や管を、蜜璃が引っ張り、そのまま引き千切る。
実弥が捌ノ型で無惨の腕を斬り落とし、炭治郎同様に刀を突き刺し無惨を壁に固定する。
無惨の顔の中心に亀裂が入り、顔全体が大きく2つに割れて無数の鋭い牙が露わになった。
グシャッ!
炭治郎との間に入った小芭内に容赦なく牙を突き立てる無惨。
「夜明けだ!!このまま踏ん張れェェェ!!」
実弥の叫び声が響いた。
見ると、東の空が明るくなってきていた。
無惨がまた衝撃波を放つ。実弥と小芭内は弾き飛ばされ、炭治郎は左腕を吹き飛ばされた。
放すな。手を放すな!刃を赫くするんだ!心を燃やせ!心を燃やせ!赫くなれ、頼む…!
炭治郎の背後から義勇が現れ、炭治郎の左手と共に右手で刀を握る。2人がぐっと力を込めたことで刃が再び赫く染まった。そして無惨は吐血した。
陽の光に当たり、無惨の肉体が灼け始める。次の瞬間、無惨は肉を膨れ上がらせ、巨大な赤ん坊の姿に変貌を遂げた。義勇は押し出され、炭治郎はそのまま無惨の肉体に取り込まれてしまった。
陽の光に灼かれ、無惨が凄まじい悲鳴を上げる。そして地を這って日光の当たらない場所まで逃げようとする。
「日陰に入らせるな!!落とせ!!」
輝利哉の指示で隊員たちが上から無惨目掛けて本棚を落とす。更に車で体当たりする。空の車両を押し、行く手を阻む。
“風の呼吸・玖ノ型 韋駄天台風”
実弥が無惨の腕を斬り落とす。
「しぶてェんだよ糞がァァァ!!さっさと塵になりやがれ!!」
血を吐きながら怒鳴る実弥。
行冥が日輪刀の鎖を無惨の頸に引っ掛け、隠たちと共に無惨を引っ張り、仰向けに倒した。しかし今度は土の中に潜ろうとする無惨。
“水の呼吸・拾ノ型 生生流転”
義勇が攻撃するが、片腕では斬撃が浅い。
“風の呼吸・伍ノ型 木枯らし颪”
“蛇の呼吸・肆ノ型 頸蛇双生”
すぐさま実弥と小芭内が攻撃する。
“水の呼吸・捌ノ型 滝壺”
“霞の呼吸・弐ノ型 八重霞”
有一郎と無一郎が加わる。
無惨が途轍もない力で地中に潜ろうとする。そしてついに岩柱の鎖が千切れてしまった。
『お前だけは絶対に許さない!!』
“日の呼吸”
“円舞、碧羅の天、烈日紅鏡”
“幻日虹、火車、灼骨炎陽”
“陽華突、飛輪陽炎、斜陽転身”
“輝輝恩光、日暈の龍・頭舞い、炎舞”
柊依が無惨に斬り掛かる。血に塗れた白い肌が朝日に照らされる。巨大な赤子の姿の無惨に深く鋭く斬り込む。
それと同時に、肉の鎧に取り込まれた炭治郎が再び刀を赫くし、無惨は大量の血を吐いた。
そしてついに。
昇ってきた太陽の光が無惨を灼き尽くし、鬼の始祖は塵になって消えた。
歓声が上がった。鬼との長い長い戦いにようやく決着がついたのだ。
「うわあああ!!」
「倒した!無惨を倒した!!」
「無惨が死んだ!!」
皆喜び、涙を流し、抱き合った。
しかしまだ終わったわけではない。怪我人の手当てや戦いの事後処理が待っている。
行冥のところにかつての教え子たちが現れた。“あの日”の誤解が解け、穏やかな笑顔を浮かべて行冥は息を引き取った。
小芭内と蜜璃は胸に秘めた相手への想いをお互いに伝え合い、生まれ変わったその先で今度こそ一緒に幸せになると誓って天国へと旅立って行った。
ここはどこ?
やっと、やっと、無惨を倒した。確かに倒した筈なんだけど。
誰もいない。みんなどこに行ったの?
柊依は辺りを見回した。
『!?』
我が目を疑った。そこには既に亡くなった彼女の家族がいた。
「柊依。頑張ったな」
「自慢の娘よ」
「ひよちゃん、格好よかったよ」
両親と姉が目を潤ませて微笑んだ。
『父様!母様!お祖父様、お祖母様!兄様、姉様!』
家族のもとに駆け寄ろうとする柊依。しかし脚が鉛のように重くなって動けない。
「ごめんねえ、“まだ”連れて行けないの」
『どういうこと?』
祖母の言葉に柊依が聞き返すが、それに対する返答はない。
「儂らの仇を取ってくれたんだね。ありがとう」
「幸せになるんだぞ」
祖父と兄が笑った。家族は笑っているのに、柊依の目からは涙が溢れた。
『みんな置いて行かないで!私も一緒に行く!』
柊依が叫ぶと、家族は少し寂しそうな表情をしたが、すぐに穏やかな笑顔を浮かべ、手を振りながら姿を消してしまった。
『待って!!』
再び謎の空間に独りになった。柊依の目から溢れた涙が頬に幾つもの筋を描いて落ちていく。
「柊依ちゃん」
懐かしい声が聞こえた。柔らかな高い声だ。
顔を上げると亡き親友が立っていた。
『…カナエちゃん……』
涙で視界がぼやける。カナエも柊依の手が届かない場所にいた。
「まずはお疲れ様。本当にありがとう。たくさん話をしたいけど、それはまだ少し先になりそうね」
『嫌…!カナエちゃん、もう私を置いて行かないで…!』
「“その時”が来たら改めて迎えに来るわ。しのぶも一緒にね」
『!』
しのぶがひょこっと姿を現した。
「柊依さん、お疲れ様でした。玄弥くんもいますよ」
風柱の弟も登場する。
「倭さん、お疲れ様でした。一緒に上弦の壱倒せて心強かったです」
『しのぶちゃん…、玄弥くん……』
もう二度と言葉を交わすことのないと思っていた仲間の姿に、涙が止め処なく零れ落ちる。
「“ここ”で会える時間には限りがあるんです。でもどうしても伝えたいことがあって」
「炭治郎が危ないんです。助けてやってください」
『えっ?』
「柊依ちゃん。あなたはまだ死んではいないわ。早く戻るの。みんな待ってる」
「無惨の細胞が残ってた炭治郎くんが鬼になりました。彼を取り戻すには柊依さんの力も必要です。どうかお願いします」
『!…分かったわ。もう少し頑張る』
涙を拭って顔を上げた柊依。その顔を見て、3人は安心したように笑った。
「花柱様!」
「倭様!」
目を開けると、隠や隊員たちが懸命に自分に呼び掛けていた。
『……ぅっ…』
身体を起こす。全身に激しい痛みが走る。柊依は顔を歪めながら立ち上がった。
「倭様?」
「どうなさいました?ご安静に…」
『炭治郎くんはどこ?』
「炭治郎は、あそこに…。みんなで彼を取り戻そうとしてるんですが、陽光も赫刀も効かないみたいで……」
彼らの指さす方向を見ると、鬼になった炭治郎を食い止めようと奮闘する仲間たちがいた。
『…手当てしてくれてありがとう。行ってくる』
「え!?」
「花柱様!傷が開きます!」
彼らが止めるのも聞かず、柊依は刀を手に走り出した。
「炭治郎!戻ってこい!!」
「禰󠄀豆子と一緒に家に帰るんだ!!」
有一郎と無一郎も炭治郎の同期に混じって彼を食い止めようとしていた。
ガァッ!!
ドンッ!!
鬼になった炭治郎が衝撃波を放った。吹き飛ばされる仲間たち。
炭治郎は無惨がそうしていたように背中から管や触手を伸ばしていた。
“日の呼吸”
“円舞、碧羅の天、烈日紅鏡”
“幻日虹、火車、灼骨炎陽”
“陽華突、飛輪陽炎、斜陽転身”
“輝輝恩光、日暈の龍・頭舞い、炎舞”
柊依の攻撃が炭治郎の背中から伸びた管を斬る。日の呼吸によって切断された箇所は再生が遅い。
連続の技に身体がついていかない。それでも血を吐いても尚、柊依は刀を振るった。
「柊依さん!」
「だめだよ無理しちゃ!」
有一郎と無一郎が叫ぶ。しかし今はそうは言っていられない。
『炭治郎くん、しっかりして!戻ってきなさい!!』
攻撃を躱しながら柊依が炭治郎に向かって叫んだ。
“花の呼吸・終ノ型 彼岸朱眼”
ドシッ!
ギュウウウ…
カナヲが炭治郎に注射器を突き立てた。
「炭治郎だめだよ。早く戻ってきて。禰󠄀豆子ちゃん泣かせたらだめだよ」
炭治郎が膝をついた。
必死で呼び掛ける仲間たちの声に、炭治郎が目を開けた。ようやく戻ってきてくれたのだ。その場は安堵と歓声に包まれた。
炭治郎が自我を取り戻したのを確認して、柊依はとうとう力尽き、意識を失ってしまったのだった。
続く
コメント
1件
うわっ、最終決戦、めちゃくちゃ熱かったですね…!無惨を倒した後の柊依さんと亡き家族やカナエちゃんたちとの再会シーン、涙なしでは読めませんでした。「“まだ”連れて行けないの」って祖母の言葉が切なすぎる…。でもそこから炭治郎を救うために戻るって、もう漢気というか、花柱の覚悟がかっこよすぎます。続き、めっちゃ気になります!
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