俺の名前は小峠華太。
天羽組中堅のアラサー極道だ。
その日俺は事務所前の掃除をしていた。
すると、ちょうどそこに来客があった。
??「やぁ、久しぶりだね、小峠君。」
この特徴的な緑の髪の毛と、目に刻まれた 傷。この人は株式会社モーリーでメロンパン屋として働いている、小林の兄貴の同期の元殺し屋である瓜生龍臣さん。通称『死龍』。
小峠「瓜生さん!お久しぶりです。本日はどのようなご要件で?」
俺の問いに瓜生さんは颯爽とした顔で、手に持っていた袋を渡してきた。
瓜生「メロンパンの差し入れだよ。そっちも大変だろ?」
なんとメロンパンを差し入れしてくれたのだ。俺もこのメロンパンが好きで、たまに買いに行っている。
小峠「ありがとうございます!組員でいただきますね。」
俺が笑顔で受け取ると、瓜生さんは満足そうに笑った。
瓜生「小峠君、いつも嬉しそうな顔して食べてくれるからつい差し入れしたくなっちゃうんだよなぁ!」
小峠「いやぁ、瓜生さんの作るメロンパンは、いつ食べても絶品ですから。」
瓜生「ハハッ、嬉しいねぇ!(好きだわぁ)最近はまぁた争いごとに巻き込まれちゃってさ、ここに来れる回数は少なくなるだろうけど、これからも贔屓にしてくれよな、小峠君! 」
争いごと、か……たしか相手はエルペタスだったな。
小峠「これからもたくさん注文させてもらいますよ。瓜生さんも体に気をつけて下さいね。」
そして瓜生さんが帰ろうと踵を返した時、俺はあることに気がついた。
小峠「…あれ、瓜生さん、足怪我してます?」
瓜生「え?」
重心がほんの少し片方に偏っている。右足首に傷があるのか?そして振り返った瓜生さんが、驚いたようにこちらを見る。
瓜生「…よく気がついたねぇ、小峠君。この前捻っちゃってさぁ。」
小峠「アハハ、気をつけてくださいね?」
瓜生「分かってるよ!じゃあまたな!」
こうして瓜生さんは帰って行った。
瓜生「…まだカリンにも鶴城にもバレてねえんだがなぁ……小峠君、なんで分かったんだ?」