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ゆう💜👾
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jnt視点の話です。直接的なシーンはほとんどありません。
そういう事をするとき、勇斗が必ずする行動がある。
ベッドに移動して、まずは優しくて甘い口付け。満足すると視線を落として、
付けていたネックレスやら指輪やらをサイドテーブルに置く。
それを、俺はただ見つめているだけ。
なのに、この光景を何回も見ているからか身体は覚えていて、勇斗の身に纏われていたアクセサリーが置かれる音を聞く度に、「ああ、今から抱かれるんだ」と身体の奥からじわじわと熱を帯びていく。
そうしてまたキスをして、押し倒されて、お互い満足のいくまで身体を重ねて熱に溺れていく。
そういう日が何日か続いた。
『今からラーメン食べにいかない?』
ある日の夜、仕事が終わり自宅に帰ろうとしたところを勇斗に誘われた。ちょうど疲れていてお腹も空いていたので、二つ返事で食べに行くことにした。
『どこが良い?』
「いや、勇斗の行きたいところでいいよ。」
『まじ?じゃあ気になるお店があってさ〜。そこにしよ!』
尻尾振った犬みたいに喜ぶもんだから、疲れが少し飛んだような気がした。
勇斗が選んだお店はここからそう遠くはなかった。ラーメン屋では珍しい個室のあるお店で、せっかくだからと個室で食べることに。
向かい合わせになるように座ってメニュー表を眺める。「どれも美味そうだなー」と言う勇斗を見て、なんだか愛らしく感じた。ここ最近二人きりでどこかに食べに行くなんてこともなかったから、尚更そう感じたのかもしれない。
おまたせしましたー
他愛もない話をしているうちにラーメンがやって来た。勇斗は豚骨ラーメンで、俺はあっさりとした塩ラーメン。
勇斗は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせる。俺も俺で、食欲をそそる匂いにもう待ちきれなかった。
「いただき…………」
じゃら、
「……ま、」
金属の音。
音のした方へ、弾かれたように視線が向いた。考えるよりも先に、体が反応していた。
食べる時に邪魔にならないようにと思ったのだろう、勇斗はネックレスを外してテーブルに置いた。それだけだった。
見られていることに気づいた勇斗は不思議そうに俺を見た。
…想起させてしまった。
『かわいいね、仁人』
『やめてじゃないでしょ?』
『ほら、頑張って。』
甘い言葉、
誘う視線、
身体と身体が触れる感覚、
荒々しい吐息。
そして_俺にしか見せない表情。
全てが鮮明に思い出されて、触られてもないのに身体がゾワゾワする。
『仁人?』
名前を呼ばれて現実に引き戻される。しばらくの間、勇斗を見つめてしまった。自分だけがこんな妄想をしていたのかと思うと恥ずかしくて、今すぐどこかに逃げ出したいくらいだった。
「あ、ごめ」
『考えちゃった?』
「………あ、」
俺の考えを全て見透かしたような、俺の脳内を全部見られているような、そんな笑みでじっと見つめてくる。
バレてた?わざと?もう訳が分からない。
きっと、勇斗に見せられないくらい恥ずかしい顔をしてる。勇斗の顔が見れなくて俯いた。
本当に逃げてしまおうか。そんなことを考えていると、勇斗はテーブルから身を乗り出して、俺の顔面まで近づいた。今顔を上げたら本当にキスしてしまいそうな、それくらい近い距離。今にも熱が暴れだしそうな俺にお構いなしに、勇斗は耳元で甘く囁いてみせた。
『食べ終わったら俺ん家行こっか。』
ラーメンはすっかり冷めていて、美味しかったのかも、この後どうやり過ごしたのかも、店を出るまでの記憶は全部飛んでいってしまった。
〔パブロフの犬〕
パブロフの犬は、「条件反射」の例として有名な実験。
ロシアの生理学者パブロフは、犬にエサを与えると唾液が出ることに注目して、エサの前にベルの音を鳴らすようにした。これを繰り返すと、やがて犬はエサがなくてもベルの音だけで唾液を出すようになった。
初めまして!聖水の汗と申します。
初めてですので、お手柔らかにお願いします…。
今回は「パブロフの犬」という実験を題材に書かせていただきました。少しでも誰かに刺さりますように。