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🍖→教師 🐼→生徒 内緒で付き合ってます
R18要素なし(キ/スはします)
ちょっとmb要素
視点主→🍖
…
ガヤガヤと賑わう構内。
「…メイドカフェでーす、いかがですかー」
「わぁ!かわいいうさぎさんだー!」
身長の高さからかチラチラと周りの人の視線を感じる。
もう、せっかくの文化祭なのに僕ばっか見てちゃだめでしょー!!
「みんなぁ、どんな感じー?」
ガラッと関係者用のドアを開け、忙しなく動き回る生徒たちに声を掛ける。
「先生!人が押し寄せててめっちゃ行列です!!」
みんながみんな足と手を止める時間がないほどに、キッチンもホールも目まぐるしかった。
そんな中、鼻歌を歌いながらキッチンで作業する生徒に視線を合わせた。
「なかむ、ヘアゴム持ってこなかったの?」
「あ、ぶるーく先生。女子にヘアゴム貸したら、俺の分なくなっちゃった」
ひときわ長い前髪と後ろ髪を揺らす彼。
「もー、そんなことだとおもった!」と声を上げれば、ポケットに入っていたヘアゴムで彼の髪をちょちょいっと結んだ。
驚いたような顔をする彼にふふっと笑ってそっと耳打ちをする。
「僕だって、なかむのかっこいい彼氏なんだから。」
「ぅぇ、っちょ」
「じゃあみんな頑張って!」と周りの生徒に聞こえるように声を上げ、彼の返答を待たずに教室を出た。
…
ピンポンパンポーン
『ミスコン参加者に連絡です。第一体育館に集合してください。繰り返します…』
しばらく人通りが落ち着いたなぁ、と構内を歩いていれば、生徒はこぞって体育館方面に走っていく。
「廊下は走らないー!」
やれやれと肩を落とし、クラスに顔を出そうとしたところで「先生!」と声がかけられ、声の方へ向くと
クラスの女子がはぁはぁと息を荒げている。
「どうしたの、急用?」
「実は…」
…
『実はアタシたちが悪乗りして今、中村こんな格好してて…』
『ほら中村って男子だけど顔可愛いから…』
そう言って見せられたのは、ショートスカートに第二ボタンまで空いたシャツ、緩められたネクタイ。
僕からすればこの格好眼の前でされたらきっと耐えられない。
こんな姿をいつまでもさせるわけにはいかないので、必死に構内を走って探す。
「なかむーっ、どこにいるのー!」
あと探してないのは…旧校舎!
あそこは催しやってないから人がいないはず…
「…なかむ!」
旧校舎唯一の教室を開けると、机に載せられたNakamuとひとりのおじさん。
はぁ、と小さくため息を付き僕がズカズカとそのまま入れば、やばいと声を上げ走って逃げていく。
すぐさま涙を浮かべる彼を抱きとめ、ぎゅっと抱きしめる。
「こわかったぁ、…」
「よしよし、怖かったね。」
どうやら気分が悪そうなおじさんがいたとのことで、声をかけたら無理矢理ここまで引っ張られたらしい。
「っ…ぶる、ぅく…」
「ん?」
「おじさんに、っちゅー、されたぁ…」
「んもー…そんな格好でふらふらしてるからでしょ?」
けらけらと笑えば、ギ、と机に身を寄せ、Nakamuを座らせ、顔を近づけた。
ちゅ
「んん、ぅっ…」
「…ん、かわいい。続きはまた後でね?」
ぽっと顔を赤らめる彼が可愛くて、気づけばふとそう呟いていた。
「ぅ、うるさいよ…」
「んふ、ごめんごめん。僕から離れちゃだめだからね。」
握り直した彼の手は温かく、しっかりと繋がれていた。
…
「…あっ中村!先生ありがとう!」
「悪ノリはだめだぞ〜、程々にね!」
「てか、先生と中村、手繋いじゃってんじゃん!」
「ぁ、っこれは…」
「中村くんちっちゃいから迷子にならないように繋いでたんだよねー!」
「っはぁ!?そんなに小さくないし!」
「あはは、そっかそっかぁ」
ミスコン【🍖×🐼】END