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🍶「なんや喧嘩売ろうってんなら十万で買ってやるで?」
🦐「たかが酒乱が僕に勝てる訳ないじゃないですか〜」
職員室は、荒れていた。凛太郎と恵比寿の仲が悪いのは周知の事実と化したが、今回はマジのやつらしい。お互い差し違える気満々だ。凛太郎はフィジカル特化教師で、恵比寿は神様だ。100巻き込まれたら大怪我では済まないだろう。その恐怖からか、ねずみ先生指揮の元、晴明と学園長を盾に全員退避している。あの2人を同行できのなんて、退魔の力をもつ晴明しかいないだろう。最悪、学園長の妖術で太平洋沖にでも放り出してもらえれば万事解決なのだ
☀️「ぴぃ…(訳;学園長…!なんとかしてくださいよ〜)」
🎭「こっちみんな」
縋るような視線を向けてきた晴明を蹴飛ばし、2人の様子を観察する。凛太郎はしょっちゅう飯綱と殴り合ってはいるが、殴り合いにおいては一定のラインを守っている。おそらく、『仕事に即時復帰できるレベルの怪我』。校舎も勘定に入れてほしいが、それは2人の中あっての話。凛太郎が恵比寿に対して加減する訳ないだろうし、恵比寿も今回ばかりは受けて立つつもりだろう
🎭「ったく…あのバカはどこ行ったんだよ」
☀️「まさか学園長、…」
🎭「いや、校舎は守りたい。…あの2人とまともに話せるの、飯綱くらいじゃねぇのか」
☀️「そ、うだった…」
本当に、切実に、マジで校舎が壊れることだけは阻止したい学園長。そのためなら自分の右腕を売るらしい。まったく報われない飯綱に同情した晴明。しかし、正直任せたい。晴明も学園長も、凛太郎はいける。いけるが、恵比寿はムリだ。2人とも恵比寿の中では嫌いに入る。というか、あいつの嫌い領域広すぎる。◯ズニーランド100個分より広い。逆に、恵比寿と友人関係をもっている飯綱がこの場合異常だろう
🧣「いや〜荊棘ちゃんから電話あって…って、なに、修羅場?」
職員室内の空気にそぐわない呑気な顔と声で帰ってきた飯綱。最近はPTAもあり、飯綱の仕事は限界まで増えた。見かねた学園長が労いも込めて特別に喫煙の許可をだしたのだ。しかも、本州の喫煙所と繋げてくれていた。物珍しさよりも珍しく疲労が溜まっていたらしく、トボトボ歩いて出ていったのは印象的だった。そう考えると、呑気になって戻ってきたのだ。休めたということだったのだ。こうならなければ
☀️「い、飯綱くん、そこから離れた方が…」
🧣「ん?あーほっときゃいいだろ。俺と凛太郎じゃねぇんだ。殴り合いはねーだろ」
☀️「いや…絶対離れた方がいいって…」
🧣「あ、そうだ。学園長、PTAの資ry「こんのクソカスボケナスが!!!!!」
☀️「い、飯綱くーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!」
🎭「あのバカ…」
とんで火に…マグマに飛び込んだ飯綱は、後ろから飛んできた凛太郎の右ストレートをモロに顔面で受けた。今のレベルの凛太郎の暴言は、拳が出る合図だ。条件反射で、振り返ってしまった。晴明には、メガネと書類がゆっくり舞い落ちるの光景が映った。しかし、本人は音速並みのスピードで吹き飛ばされた。凛太郎の本気だ。いくら酒が抜けてるとはいえ、痛くないわけがないのだ。飯綱は、ピクリとも動かない。だから逃げろと言ったのに、といった表情を仮面の下に隠しているものの、心底呆れている態度は隠していない学園長。犠牲になった飯綱に祈りを捧げるねずみ先生。青ざめるその他の教師陣
🦐「かわいそ〜全く関係ないのに〜」
🍶「避けんなや!!」
もう1発、と凛太郎が拳を振り上げた時、部屋の温度が急激に下がった気がした。息苦しささえ感じる。恵比寿は、直感的に命の危険を感じた。凛太郎を、見れば、その視線は吹き飛ばされた飯綱に向けられていた
🍶「いいか…恵比寿。下手なことはすんな…冗談でもなく殺されんで…」
🦐「…」
いわれずともそうする。今この職員室を支配しているのは学園長ではない
🧣「…」
☀️「ひっっっ…」
🎭「…」
ゆっくり、幽鬼のごとく立ち上がる飯綱。晴明も、初めて百鬼学園に来た時以上の、不良に絡まれた時以上の恐怖を感じた。内臓を直接触られて、掻き混ぜられているような、重たい空気。横に視線を向けると、学園長は面を外し、睨んできた。もし、晴明の予想通りなら、凛太郎と恵比寿は拳骨では済まない
🧣「…まあいい。座れ、お前ら」
完全に目からハイライトが消え失せている。無表情なのも相まって、かなりの威圧感だ。凛太郎と恵比寿は、黙って正座した。2人が黙って従っただけでこの光景の異常さがわかる
🧣「さて…」
🍶「ご、ごめんな、飯綱くん。その…」
🧣「一回だけ言うぞ、…黙れ」
完全に、場の支配者は飯綱だ。凛太郎と恵比寿は、首筋に刃物を突きつけられるような感覚に陥った
🧣「…俺の質問にのみ答えろ…原因は?」
🍶「ミッチーの、話を晴明くんとしてたんよ。そしたら、恵比寿先生がキモいゆうて…」
🦐「色々、言い合ってたら、神酒先生が『こんなキモいのに付き纏われる佐野くんがかわいそうやな』なんて言ってきてつい…」
🧣「…常々思うんだがな、上手くやれよ」
🍶「n……!………」
思わずツッコミを入れかけた凛太郎は慌てて口を塞いだ。今無許可で言葉を発するのは死と同義だ
🧣「俺も殴り合いも言い合いもするからいえた立場じゃねえが…お互い嫌いを前に出すな」
🍶「…?」 🦐「?」
☀️「(どう言う意味なんだろう…)」
🎭「(分かってんならせめて校舎を壊すな)」
🧣「別に、全員と仲良くなんて言ってねえだろ。嫌いなやつがいるってのも、生理的に受け付けたくない奴がいるのもわかる。いるし。要は、表面上だけでも上手くやれ。仲良くしなくてもいいから」
全く声に抑揚がない。凛太郎の過去の経験上、かなり虫のいどころが悪い証拠だ。無表情・無感情。ただ淡々と怒る飯綱を凛太郎は『絶対零度の飯綱くん』と名付けている。ちなみに、こうなると飯綱の道徳心は−100されるが、国語は+300くらいされる(スタートはマイナスに限りなく近いが)
🧣「いいな?」
🍶🦐「は、い…」
🧣「…なんでそんな離れてるんです?さっきもっと近くにいませんでした?」
☀️「え…?」
🎭「そうなるよな。一種のホラーだ、アレは」
🧣「あ、頭っすか?」
🎭「はい、救急箱」
🧣「ありがとうございます」
ケロッと、いつもの飯綱に戻った。晴明の頭は、情報を処理しきれていない。普通、そんな簡単に切り替わるものではないはずだ。しかし、実際飯綱は今怒ってなかったかのように頭の血を拭っている
🦐「あ、僕やりますよ」
🧣「すみません、お願いします」
🍶「飯綱くん、資料って6枚だけ?」
🧣「おう」
🍶「ほい、学園長」
🎭「…ありがとうございます」
☀️「…」
🎭「晴明くん。そろそろ顔戻してください」
☀️「アレ見てですか?!」
🎭「…はい」
晴明の前には、飯綱の頭の処置を済ませながら話す恵比寿と、肩を揉む凛太郎。まるで母親の機嫌をとる子供だ。しかし、今まで見下ろしていた相手に対して秒でいつもの雰囲気にもどる飯綱。晴明の中の『怒らせちゃダメな人リスト』に飯綱が追加された