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「宇宙よりも大きい物はない」

なんとなく見ていた動画でそんなことが流れてきた。

ただそれだけのことが、なぜか酷く頭に残った。

そう、たったそれだけのことが、今後の俺の人生に大きな影響を与えるんだから、このときの俺は人生最大のファインプレーだったと言える。

「…明日は始業式だし、早めに寝るか」



「おはよ、寝癖酷いぞ?」

翌朝、教室に来て最初の言葉が俺の髪型の侮辱とは、良い度胸だ、ここは一発かましてやろう。

「この髪型はおしゃれだ、そんなこと言ってると友達無くすぞ?」

「例え多少無くなったとしても友達3人のお前よりは多くなる自信あるぜー?」

俺の必死の抵抗は隣に座る数少ないお友達である「春日井きょうへい(かすがいきょうへい)」の天然カウンターパンチにより不発に終わった。

「にしても今日の始業式憂鬱だなー」

「なんでだよ、俺はともかくお前は友達とのおしゃべりの時間だろ?」

「いやーそれがさ、生徒会役員として仕事しろって先輩から仕事押し付けられちゃって」

「ざまぁ」

「お前、家の事情もだけどそんな性格だから友達できないんじゃないか…?、うちクラス替えもないからそのドキドキもないし仕事押し付けられるしで最悪だぜ」

そんな他愛ない話しをしていた、何も変わらない高校2年生の幕開けの

…..はずだった

「やべ、先生来た」

俺らの会話を遮ったのは、これまた去年と同じ担任の「森岡卓三(もりおかたくぞう)」通称もりたくが教室に入ってくる音だった。

「えー、突然だが転校生を紹介する」

…は?、転校生?いや聞いてないんだが。 隣を見るときょーへいも驚いた顔をしている。 一方もりたくはそんな俺らの反応なんざ気にせずに続けた。

「おーい、入って来ていいぞー。」

教室の扉を開けて転校生が入ってくる。 これは俺だけじゃ無いと思うんだが、やっぱり初めて見る転校生の初めて見る箇所は顔だと思うんだ。その瞬間、俺のそいつへの第一印象は決まってしまった。

「綺麗だ……」

綺麗に整えられた黒髪が腰の上あたりまで伸びたスレンダーな美少女、東京の街を行き交うくたびれたサラリーマンに聞いても100人中100人が整った顔だちだと言うだろう。だがそんな俺の第一印象は一瞬で砕けちることになる。

「私の名前は「天堂星菜(てんどうほしな)」! 私の興味あるものは宇宙と宇宙よりも大きいものだけ!あなた達みたいな小さな存在に興味は無いわ、あなた達が私に話しかけるのは宇宙より大きいものについての話しをするときだけにしなさい!」

衝撃だった、お嬢様風の美少女から出る音量じゃない。音量10を想定していた俺の脳は突然の音量150のスピーカーからでた爆音に処理が追いつかなかった。 この文字通りの衝撃的な自己紹介から、俺の平和な学園生活が少しずつ狂っていく。


そんな予感がしたんだ

宇宙よりも大きいモノをあなたに

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