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私たちは浅はかだった。後悔も残った。私たちは楽園をつくっていたはずなんだ。まだ何もない場所に、終わりの無い海に楽園をつくったのだ。
海は深く暗く闇だけがあった。だから光を生んだのだ。すると光と闇が出来たのだ。私たちは光を「昼」と名付け闇を「夜」と名付けた。
私たちは水を一ヶ所に集め海と陸をつくった。そしてその大地に植物を生んだ。私たちは満足だった。楽園への第一歩だと誰もが思った。
次に私たちは太陽と月を生み、季節をつくったのだ。夜の闇はとても暗かったから月と星を生んで明るくした。神秘的になったと思わないか?
ついに私たちは生き物を生んだのだ。海には魚、空には鳥。それはなんとも美しかったのだ。この光景が永遠に続くよう私たちは生き物に「生めよ、増えよ、海の水に満ちよ」といったのだ。
そして人と動物を生んだ。人々の言う食物連鎖をつくったのだ。野の獣、家畜、地を這うものを生んだ。そしてその全てを支配するために人を生んだのだ。
私たちは……いや、少なくとも私は懺悔をする。させてくれ。私たちは7日間というあまりに短い時間で世界をつくってしまった。多くの者にとって世界は観賞用の家具のようなものだった。ではなぜ禁断の果実を二人の前においたのか。目印だったのだ。私たち神々がつくったのだと……。
そして人々のは罪を犯した。私たちはアダムとイブ、そして二人を唆した蛇に罰を与えた。初めは私も納得していた。だが数億年たった今を見てみろ。人々は私たちが予想していなかった創造神でさえも度肝を抜かれるほどに世界は変わった。だが私たち神はどうだろうか、7日間だ。たったの7日間で完成させてしまった。なんという不覚。ああ人々よ、どうか神々を許しておくれ。浅はかだった私たちを許しておくれ。神だって罪を犯す。だがその罪を受け入れようとしない。人々となにが変わろうか?罰を受けるのは神々の方だ。