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葵side
早朝、紫に体を揺すられ、起き,,,ようとして二度寝する。布団をひっぺがされたので起きる。今日は昨日買ってきたあかりの色々なグッズを買いに行くらしい。スターターセットのエサも少なめなのでそれとか。正直めんどいが紫が自分から何かするというのが珍しいので付き合う。ゆっくりは同僚が上司への怒りをぶつける対象としていたのでよく知っているが、なぜ饅頭が動けるんだろうといつも疑問に思ってしまう。そういう生物なのだとすぐに思考を放棄するが。
「人間しゃん!狩りにいくの?」
「あー,,,そんなところですかね」
「ゆっくり頑張ってね!」
「はい、行ってきます」
ペットショップでは様々な種類のエサを見かけるだろう。ゆっくりの場合はあまり多くない。苦めとか甘めとか、お仕置き用魚の骨入りとか、そんな感じでざっくりとわかれている。
「あかりさんは何が好みなんでしょうか,,,」
「鍋の具余ってるしそれで探ってみる?今日はプレーン買ってさ」
「そうですね。それで好きなもの混ぜて食べさせましょうか」
正直普通の飯も食えるからエサ買う意味あんのかと思うが、見透かしたように栄養が1番という話をされた。
「ただいまー」
「ゆっ!おかえりなんだよ!」
「あかりさんが好きなご飯はなんですか?」
「あかりはとまとさんをむーしゃむーしゃするのが好きだよ!」
「あったっけ」
「おそらく」
ということで夕飯は昨日の鍋の残りとトマトになった。ゆっくりに塩は毒と聞いたのでドレッシング諸々はかけずに渡す。美味しそうに食べるあかりを見ていると紫が明日はどうするかと聞いてきた。ゆっくりが増えたところで自分達の生活は何も変わらない。いつも通り仕事を頑張って、紫と食卓を囲む。それだけだ。
そういう日々がずっと続くと思っていた。
あの日もし残業をしていれば、声に立ち止まらなければ、手を出そうとしなければ。
自分はずっと変わらず、ただゆっくりを愛でれていたのだろう。
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