「つぼ浦ー叔父さんから荷物届いたよ、結構重い。」
「えぇ?…何だこれ。」
「連絡とか来てないの?」
「まともに読んでねぇから分からん、えーと最近だと…」
「開けて良い?」
「おー。あ、これだ…今日の松茸と大根だってよ、いつものやつしか送られてねぇな。」
「いやそのメールだよ、ほら立派な大根。」
箱の中を見るとまだ所々土がついている、採れたて新鮮といった感じの大根が丸ごと5本入っていた。
「なんで俺に送ってきたんだ?読むか…あーなんかキノコ狩りで知り合った人に貰ったらしい、1人じゃ食べ切れ無いからって書いてある。」
「叔父さんって俺らが付き合ってるの知らないよね?つぼ浦1人にこの量送ってくるの中々だなw」
「あの人何考えてんのか分かんねぇからな、てか2人にしたって多いだろこれは。」
「また誰かにあげれば?署長とかババアとか喜びそう。」
「それ偏見の塊だろw大根使う料理ってなんだ…おでんとか?」
「おでん良いじゃん!今から買い物だと遅くなる?俺が買いに行くか。」
「え?んー…一緒に行く。」
「買う物送ってくれれば行ってくるよ?その間に大根切ったりしてくれたら早くできるじゃん、つぼ浦腹減ったーって言ってたし。」
「いや?一緒行く。」
アオセン1人だとどんなもん買ってくるか分かんないから、と押し切るが少しでも離れたくないんだなと察した青井の表情が緩む。2人で買い物に行き順調に作り進めた。
「たまには気分変えてコタツで食べるか。今日寒いしとことん暖まろ。」
「おっいいすね、アオセンもたまには良い事言うじゃねぇか。そっち運ぼうぜ。」
「たまにとはなんだよ失礼なw熱いうちに食べよ、いただきまーす!…うわうまぁ、染みるぅ…」
「初めて作ったけど上手くできたな。」
「つぼ浦はおでんの具で何が1番好きなの?」
「俺はー…」
談笑しながら久しぶりの味を堪能する。明日も食べようと思って多めに作ったが美味い美味いと青井の箸が想像以上に進み、鍋は空っぽになった。
「はぁー…ちょっと食い過ぎた、腹パンパンで暫く動けない…」
「調子乗るからすよ、もう若くないんだから。」
「つぼ浦の料理が美味すぎるのが悪い。」
「まぁ俺だからな。なんか他に大根使う料理ある?」
「んー…今はちょっと食べもんの事考えらんない…」
座椅子でだらけている青井にまったく、と小言を零しながら食器を片し、洗い物を終えるとみかんを2つ持って戻る。少し考えて青井とコタツの間に無理やり入って座った。
「えっちょ、つぼ浦?これは流石に狭くないか?w」
「…ん?うん。」
「いやうんじゃなくてね?」
空返事をして青井に背中を預けながらスマホを弄るつぼ浦のお腹に両手を回した。ネットサーフィンをしたり最近の写真を見せたり、ひとしきり満足するとみかんを食べ始める。
「このみかんあま、やっぱコタツにはみかんだな。」
「俺も食べたいんだけど。」
「腹パンパンなんじゃなかったのかよ、ん。」
「んーほら見て?つぼ浦ギュッてするのに両手塞がっちゃってる。」
「いや離せばいーだろ。」
「離して良いの?寂しがり屋なつぼ浦くんは甘えたくてここ来たんじゃないの?」
「…別に違うし、怒るぞ。」
「あぁごめんて、拗ねんな?これで許してくれる?」
「…///…今回だけだぞ。」
回していた手に力を込めて頬にキスをすると狼狽えて目を泳がせるつぼ浦。無言で持っていたみかんの皮を剥き青井に渡し、 食べ終わると青井にされるがまま寄りかかって寛ぐ。密着しつぼ浦の身体がぽかぽかと暖かくなるにつれて自身が疼いてきた青井はつぼ浦の耳をくすぐり、腰を撫でる。手つきでそういう合図だとつぼ浦も察するようになった。
「…あー…今日はちょっと違う…」
「違うか、キスは良い?」
「…したぃ…」
頬に手を添えて目を合わせると嬉しさを隠し切れていない表情をしている。ちゅ、ちゅ、と啄むように何度も口付けると更に幸せそうな顔でふぅ…と満足気な息を漏らした。
「あーもう可愛いなぁ。」
「アオセンはかっこ良い、ムカつくぐらいに。」
狭い所をモゾモゾ動き青井のほうに向いて謝罪の意を込めつつ抱きつく。つぼ浦は極稀に断った時は申し訳なさを感じせめてこれぐらい、といつもに増して積極的にスキンシップを取ろうと心がけているが青井には逆効果だ。毎回追い討ちをかけるように甘えてくるのは正直辛いが、それ以上にその心遣いが嬉しい青井は理性を抑え気持ちを落ち着けて頭を撫でた。
「暖かいなー、いつまでコタツ出しとく?」
「一年中。」
「真夏も置いといたら使うん?……あれつぼ浦眠くなってきてない?」
「…んぁ?なってないが?」
「なんでそこ意地張るんだよwもう寝るならベッド行くよ。」
「…んーねない……10ぷんだけねる、おこして…」
青井の手を持ち自分の頬に擦り付け、むにゃむにゃ言って目を閉じたつぼ浦に布団をかけ直した。
コメント
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リクエストに応えてもらってありがとうございます! おかげでこちらも暖かくなりました✨最高のお話で今週も順調に過ごせそうです😊
リクエスト頂いた、コタツで暖まる話です。 リクエストありがとうございました!