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数年後

「叶太」

「なんですか」

「んんっ……」

「急にしないでください」

「ごめーん」

「許します」

「そうしてくれると助かる」

「昔から変わらないですね」

「それは叶太もだろ」

「昔言いましたよ。この喋り方とかは直す気はないって。」

「そういえばそうだな」

「慣れてください」

「もう慣れてるっつーの」

「そうなんですね」


「お、見て」

「なんですか」

「月めっちゃ綺麗だぞ」

「本当だ。綺麗ですね。」

「…こんな事話したくねぇけど…」

「叶太のお母さんさ」

「はい」

「今、別の子供いるらしいぜ」

「へぇ…」

「その子供にも虐待してるって。」

「可哀想に…」

「てか、なんで知ってるんですか?」

「んん?いや、近所で結構有名だぞ」

「そうなんですね」

「本当に最高って言える場所がないくらい最低だな。」

「ですね」

家を出て良かった

家を出てなかったら、今もずっと暴力振るわれてたんだろうな。

先輩には感謝しなくちゃ

「先輩」

「何?」

「ありがとうございます」

「何が」

「俺を救ってくれて」

「どいたま」

「あと…」

「あと?」

「好きになってくれてありがとうございます。」

「それはオレもだよ」

「そうなんですね」

母さんとは違う

先輩は暖かい人。それに、優しい人。

俺はそんな先輩が大好きだ。

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