蓮Side
みんなが助けに来てくれて、俺は無事回復できた。と思ったら、今度はあべちゃんにかけられていた呪いがフリーズのせいで再発してしまった。
あべちゃんならきっと、呪いと戦ってくれているはず……
そう思った俺は、気づけばあべちゃんを後ろからハグしていた。
💙「えっ?」
🩷「めめ!?」
メンバーも、阿部ちゃんも、フリーズも驚いていた。
向こう側になんて行かせたくないから……無意識のうちに。
阿部ちゃんは俺から逃れようとバタバタ動いているけれど、俺の力には及ばないみたい。
🖤「阿部ちゃん、忘れないで。俺のこと、俺たちのこと、思い出して」
もがき続ける阿部ちゃん。まだずっと1人で戦ってる……頑張って。思い出して、阿部ちゃん!
「何しているのですか……!早く引き剥がしなさい!」
フリーズが仲間や触手に指示を出す。でもそいつらは、全部みんなが片付けてくれた。
🖤「俺たちにはみんながいるから……1人になんてさせないよ、阿部ちゃん。俺、阿部ちゃんのために戦うから」
少しずつ阿部ちゃんの動きが静かになっていく。
すると、
💚「うっ……おえっ、ごほっごほっ!!」
突如咳き込んだ阿部ちゃんの口から黒い塊が出てきて、地面に転がる。それと同時に、阿部ちゃんの意識も元に戻った。
💚「あれ、めめ……俺……」
🖤「阿部ちゃん!良かった……!!」
💚「ぐえっ、めめ、強いよ……!」
思わずギュッと強く抱きしめてしまった。俺はごめんごめん、と腕を離す。
🩷「良かった、阿部ちゃん元に戻ってる!!」
戦いながらそばに来た佐久間くんが阿部ちゃんの無事を確認する。
「そ、そんな……そんなに簡単に解かれてしまうなんて……?!」
動揺を隠せないフリーズがわなわなと震えている。
🖤「簡単なんて言うなよ」
俺はフリーズに言い放つ。
🖤「俺たちの絆を、簡単なんて言葉にまとめんなよ」
フリーズは何か言おうとしてやめる。返す言葉が見つからないみたいだ。
フリーズの手下たちと戦っていたはずの舘さんがスッと俺の隣に降り立って、塊を睨みつけながら言う。
❤️「あの塊が、阿部を苦しめてた術式の元凶ってわけだね」
💙「許せねぇ。あんな塊、さっさと始末してやるよ」
舘さんに続いて来た翔太くんが拳銃を構え、ダンっと一発撃つ。弾は一撃で当たり、シュウ〜と音を立てて消えていった。
💚「ありがとう、舘様、翔太」
💙「おう」
❤️「無理はしないでね」
2人はそう言うと、ほぼ同時に敵に向かっていった。
💚「それにしても俺……いつの間にあんなの飲まされたんだろう」
🧡「たぶん、スタジオ襲撃事件の後ちゃうか?次にふっかさんと会った時には洗脳受けとったんやから」
ゆり組と入れ替わりで来た康二が、珍しく(🧡”珍しく”って何や!)冷静に分析する。
💚「そうか……あの時俺の中で話しかけてきた奴は、さっきの塊と一緒に俺の中に入ってきたって訳か」
🧡「え、話しかけてきた?なんやそれ……」
真面目に話し合う2人を横目に、俺は周りで戦うみんなの様子を窺った。触手と中心に戦うゆり組は、安定のコンビネーションで触手に攻撃する暇を与えない。この調子だと俺の助けも要らなそう。と、なれば……
目線をずらし、フリーズと戦う4人を観察する。主に攻撃をしているのは岩本くんとふっかさんの2人。こちらも安定かつ圧巻のコンビネーションだけど、フリーズにはなかなか効いていない。
その2人の攻撃にバフをかけたり、アクロバットなどでフリーズの集中を途切れさせたりしているのが佐久間くん。
そして苦戦する3人を集中回復するのがラウール。バランスよく役割分担しているけど、決定的な攻撃力には欠けるみたい……?だったら、少なくとも俺は岩本くんたちに加わる方が……
🧡「…め、めめ!聞いとる?」
🖤「あ、ごめん。考え事してた」
🧡「こんな時にボーッとせんでや!えっとな、俺が触手の方加勢してくるから、めめとあべちゃんはフリーズの方なーって言っとってん」
な!と阿部ちゃんを振り返り同意を求める康二。阿部ちゃんは俺の考えを見抜いているのか、苦笑いで言った。
💚「そうだね。でも多分ね、めめも分析しておんなじこと考えてたと思うよ?」
🧡「えっ、めめも?!」
🖤「うん。あべちゃんよく分かったね?」
💚「何となく分かっちゃんたんだよねぇ。それじゃあ、早く行こっか!」
🧡「おん!」
🖤「ラストスパート、頑張ろう!」
そうして俺たちも戦いに加わり、フリーズとの最後の戦いが始まった。
(続く)
コメント
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スラップきついですよね😢 私も今スランプ来てて学校が忙しいっていうのもあってちょくちょくしか思いつかないんですよね😵 いつも楽しみにしてたひいらぎさんの作品、急にstopしちゃって心配😔だったんですけど、アプリ開いてない間に上がってたので、戻ってきて(?)安心😌しました! 続き楽しみピーマンであります!!!