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あれからは結構大変なことになった。他の生徒との闘いは安全のために避けるべきだと判断した先生のおかげで、イーズ先生との模擬戦を色々させられた。彼は手を抜いている。それは当然で、こっちも当然だが自分も手を抜いている。でなければイーズ先生を死体にしてしまうからだ。
そして講義が終わった後、イーズ先生が声をかけてきた。
「アルヴィアン。剣術クラブに興味は?」
「剣術クラブ?」
「クラブ活動がその学校にあることは聞いているか?」
「いいえ。」
「そうか。この学校には色々なクラブ活動がある。実は俺は剣術クラブの責任者でな。もし良かったら入ってくれるとうれしいのだが。」
「考えておきます。他のクラブ活動も見ておきたいですからね。」
「クラブ活動があるのはこのあたりの特別教室棟だからこの後色々散策するといい。どこのクラブであっても、途中入学した『引きこもり侯爵子息』であることを言えば見学させてくれるだろう。」
「ありがとうございます。」
なるほど、クラブ活動か。年相応、だが自分とは無縁だったものがまだあったとはね。興味深い。今日はこの後予定がない以上、散策はしてみよう。