テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
古流斬
2,542
87
チタコロ
323
第三章 はぐれ者編
第二十二話「焦りの一手」
瓦礫が散らばる戦場。
ケイトと黒のユーマは、虚飾を追い詰めていた。
「はぁ……!」
ケイトの聖天光が虚飾の分身を次々と消し飛ばす。
ユーマも能力『夢』で創り出した剣を操り、分身を次々と破壊していく。
虚飾は後退しながら舌打ちした。
「くっ……。」
額から汗が流れる。
(追い詰められている。)
(どうする……。)
その時、虚飾はふと我に返る。
「……待て。」
「何を焦っている。」
静かに笑みを浮かべた。
「僕の実力は、七つ大罪・暴食と同等。」
「なら、十分戦えるじゃないか。」
焦りは少しずつ消えていく。
⸻
一方のケイト。
表情は冷静だったが、体は限界に近かった。
憤怒との戦い。
七つ大罪との死闘。
ボスとの連戦。
さらに虚飾との戦闘。
疲労は確実に蓄積している。
「……まだ戦える。」
そう呟くが、呼吸は荒い。
対照的にユーマは休息を取っていたため、体力にはまだ余裕があった。
「ケイトさん!」
「俺が前に出ます!」
ケイトは小さく頷く。
「頼む。」
⸻
虚飾はなおも追い詰められていた。
古流斬との戦いで受けた傷が深い。
「あいつ……。」
「あれだけ技術だけで……。」
古流斬の拳。
肘。
蹴り。
柄打ち。
虚飾は約百九十発もの攻撃を受けていた。
「普通なら……立てない。」
それでも立ち続ける。
⸻
虚飾はユーマを見る。
(鍵は、あいつだ。)
血液を操り、新たな分身を生み出す。
分身たちは一斉にユーマへ襲いかかる。
「囲め!」
ユーマは夢で盾と剣を創造し応戦する。
その隙だった。
虚飾は右手を掲げる。
「──転移。」
赤黒い光が戦場を走る。
狙いは――
ケイト。
普段のケイトなら避けられた攻撃。
だが。
連戦による疲労で反応が一瞬遅れる。
「しまっ……!」
光がケイトを包み込んだ。
ユーマは目を見開く。
「ケイトさん!!」
虚飾は静かに笑う。
「これで流れは変わる。」
戦場は再び、大きく動き始めた。
――第二十三話へ続く。
コメント
1件
うわ、これは熱い……!虚飾が焦りを自覚して「何を焦っている」って立ち直るところ、すごく好きです。あと古流斬に百九十発も受けてなお立ち続けてる描写、めちゃくちゃ執念感じました。ユーマが前に出たことで生まれた隙を、きっちり突いてきたラストも最高です。ケイトの体力の蓄積がどう響くか、続きが気になりますね。