夏、太陽の光が容赦なく照らされる季節です。
そんな暑い日が続く中でも、濃い色で長袖な服が必要不可欠な貴方は、今日も日傘を差して彼の隣を歩きます。
隈取「〇〇、体調大丈夫か?暑かったらすぐ言えよ」
片手に水の入ったペットボトル、もう片方でうちわを仰ぎながら貴方と歩く隈取。
日傘を差していることも相まって、貴方はちょっとだけお姫さまになった気分です。
「恥ずかしいからやめてよ」と頬を赤くして言いますが。
隈取「お前が倒れるよりはマシだ」
と言ってうちわをパタパタさせています。
彼の行動に耐えられなくなった貴方は「そこのお店に入ろう」と喫茶店を指差しました。
隈取「おう、そうだな。流石にずっと外にはいれねぇよな」
紫外線アレルギーで、日光を浴びることができない貴方。
他の人よりも肌と髪色が薄く、少しでも日にあたれば真っ赤になり、火傷したように痛くなってしまいます。
隈取「っあ”ー、クーラーってすげぇな…マジで涼しすぎる」
クーラーの効いた店内は涼しく、風鈴の音が楽しめるほど静かです。
隈取「〇〇、体調大丈夫か?体暑かったりしたのか?」
隈取の心配の声に「大袈裟だよ」と笑って返します。
隈取「平気そうだな、良かった」
そう言って、運ばれたお冷を一気に飲み干します。
「私は、隈取さんが倒れないかの方が心配だったよ」と独り言のように呟きます。
しかし、そんな小さな声も彼の耳には届いたようで…
隈取「…悪りぃ、俺、不器用だからさ」
おちゃらけた態度から一変、とても真剣な表情と、声色で、真っ直ぐ貴方を見つめています。
彼の元からの見た目と合わさって、貴方はドキリとします。
隈取「彼氏として、〇〇を大事にしたいって思いすぎちまったかもな…でも、〇〇を太陽から守るっつっても、これくらいしかわかんなくて…」
大きな体を縮こめながらボソボソと話し、顔はみるみるうちに赤くなっていることに気がついた貴方は、思わず吹き出してしまいました。
隈取「なっ…!笑ってんじゃねぇよ!人が反省してるっつーのに!」
「ごめんなさい!可愛くってつい!」笑を堪えるように口を押さえながら言いますが、それでも口角が上がったままの貴方。
そんな貴方を見て、隈取は「ふっ」と笑顔になりました。
隈取「…やっぱ、お前は笑ってる方がいーな。俺も次からは気をつけるわ」
風鈴の音と、グラスの溶けた氷がカランっと音を立てる静かな空間。
「…私、今度は花火見たい」そっと貴方は言います。
隈取「そうだな、浴衣姿、楽しみにしとくわ」







