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episode 4 関わり











(…帰ろ、)


授業が終わり、帰宅の準備も済んだ。

もうここにいる意味などない。

自分が苦しむだけ、なら早く帰ればいいじゃないか。

そう思い、カバンを手に取り席を立つ。


「…さようなら」

誰かに聞こえるか、聞こえないか。

教室はうるさい。私の声は誰にも聞こえてないだろう。

でも、それでいいんだ。

期待されない方が、よっぽど楽なんだから。





コツ、コツ、コツ…

誰もいない、静かな階段。

足音だけが響く。


『おい、』


「…?」


静かな階段に、低い声が響く。

振り返ると黒瀬紫苑が立っていた。


「…黒瀬、紫苑?」


水晶玉のような、アメジストのような瞳を

ジッと見つめながら問う。



『おい、“無能”




「ッ…」


落ち着け。





落ち着け。





落ち着け…ッ




「…関わらないで。」

「私は貴方と関わりたくない。」


「…関わる気はない。」

「生きてきた環境が違うの。」


「少なくとも、私のことを無能呼びする奴とは関わらない。」


「私は、独りで生きていける。」



“友達”、なんて……、

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