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岩本の勉強する姿に触発されてしばらく教室で頑張ってたけど、雨続きで体調を崩してからは気力が持たなくなってまた俺は屋上の住人になった。
少し行かない間に気候が移り変わり、屋上は随分と暑い。そして今日は特別天気がいい。
ちょっとミスったかな、と思いつつ日陰を選んで眠りに入った。
あまりの熱さに目が覚めた時には、もう視界が揺れて気持ち悪くて立てなくなっていた。
やばい、と思ったけど身体が動かない。
さっきまで日陰だった特等席はすっかり日なたに変わり、コンクリートの照り返しで熱いのに汗は出ていなかった。
意識が朦朧とする。
誰か、誰か………
いわもと………
何となく頭の上が騒がしくて、心地良い感触に包まれたような気がして、次に目が覚めたら病院のベッドにいた。
学校の先生と、母親もいた。
たまたま昼の時間だったから、屋上で昼食ををとろうとして熱中症を起こしたという事になっていた。
そして母親は点滴で一晩経過観察と聞くと『ごめんね、ママ仕事があるから戻るわね』と気遣う母を演じながら出て行った。
家で浮気相手を待たせてんだろうな、なんて思いながら見送る。
母親がいなくなってから、俺の第一発見者が生徒だと知らされた。
傍にいると言って聞かなかったらしいが、容態が安定したから学校が終わったらまた来なさいと言い聞かせると渋々帰ったらしい。
だから後でまた来ると思うよと先生は言った。
💙「もしかして、それって……」