息抜き落書き。説明は省略
ツカサ…ある国の第一皇子。
ルイ…ロゼ。ツカサよりも13歳年上。
トウヤ…ある国の第二皇子。
アキト…騎士
from.ツカサ
「ルイ」
俺は隣にいる男に話しかけた。
「はい、ツカサ様。」
「そう硬くならないでくれ。昔はよく一緒に遊んだじゃないか。」
「はぁ…またそれですか?だから、あれは私があなたのお守を任されていたからで…」
ルイは何かを言いかけて、それを飲み込んだ。
「…それより、お仕事なさって下さい。トウヤ様のが真面目にこなしてますよ。」
「またトウヤか…トウヤが真面目なのは確かだが、俺も仕事はしてるからな?」
「態度の話です。そんな態度では、トウヤ様が王に…という話が出てもおかしくありません。」
正直、王などどうでもいいのだが、ルイはやはり俺に王になってほしいようだ。
「それは確かに困るな。仕事に戻るとしよう。」
俺がそういうとルイはニコッと笑う。この顔は好きだが、どこか胡散臭さを感じる。
「入れ」
「失礼します、トウヤです。ツカサ様に用があって…」
「おお、トウヤか。どうした?」
「ルイ様を1日お借りできませんか?」
「断る。」
「大体なんだ、ルイを借りる?物みたいな言い方をするんじゃない。」
「申し訳ありません、表現の仕方が不適切でした。ルイ様の時間をお借りしたいのです。」
「目的はなんだ?ルイでなければならない理由は?」
「理由は…」
トウヤはチラッとルイの方を見た。
「…トウヤ様、申し訳ありませんがツカサ様の許可がなければお受けできません。」
ルイはハッキリと断った。
「俺がルイ様の時間を借りたい理由は、ルイ様の知識が必要だからです。」
「ルイの知識?それなら1日もいらんだろう。」
「分かりました。ハッキリいいます、ずるいです。」
「ん?」
「ツカサ様ばっかりルイ様と…ずるいです。ルイ様は俺のロゼでもあるんですよ。」
「お前のロゼだと?馬鹿なことを言うな。」
「あの…お二人とも、一旦落ち着いて下さい。」
ルイが口を挟んだ。
「ルイ、お前は俺のロゼだろう?」
「えぇ、まぁ、一応は。」
「一応とはなんだ。」
「王様からは、ツカサ様を主として、トウヤ様の面倒も見るようにと命を受けておりますので。」
「なんだと?!初耳だぞ?!」
「聞かれなかったので。」
「ルイ様」
トウヤがルイを抱き寄せた。
「なら1日くらい、俺に時間をくれてもいいですよね?」
「待て、ルイを離せ。いくらトウヤであろうと、俺のルイに触れる事は許さん。」
「ツカサ様、ハッキリいいますが、あなたはルイ様を束縛、独占しすぎです。」
「ルイが嫌がってないからいいだろう」
「ルイ様はツカサ様の立場を考慮して、直接的な表現を避けているだけではないですか?」
「…あのー、そんなバチバチしなくても…」
ルイが少し困っているようだった。
「2人とも昔はあんなに仲良かったじゃないですか。ほら、よくおままごとして…」
「ルイ、お前は俺を選ぶよな?」
「ルイ様、俺のこと嫌いですか…?」
「…えぇ、、、」
「失礼します、ルイ様います…」
「アキトくん!」
「え、あ、なんか取り込み中…ですか?」
俺とトウヤの空気を察してか、アキトは引き気味に言った。
「ううん、むしろ助かっ…じゃなくて、問題ないよ。」
ルイはとてもニコニコしている。
「そっすか。あ、これあんたがこないだ欲しがってた竜の爪です。」
「わぁ!本当に持ってきてくれたんだ!やっぱりアキトくんは優秀だねぇ!」
「別に。たまたまそこで遭遇したから持ってきただけです。」
「だからこんなに怪我してるのかい?あとで僕の部屋においで。治療するよ。」
「いや、医務室行くんで大丈夫です。」
「おや、ツレないねぇ。少しくらいいいじゃないか。この竜の爪のお礼もしたいし、お茶でもしようよ。」
「えぇ…まぁ、後で時間ある時なら…」
「ふふ、分かった。また後で呼ぶね。」
「はい。じゃ、失礼します。」
…
「ルイ、アキトと仲良すぎないか?」
「はい?別にそんな事ないと思いますけど。」
「ルイ様の俺たちに対する態度とアキトに対する態度が全然違うように思うんですが。」
「そりゃ、立場が違いますからね。」
「お前の一人称が『僕』なの初めて聞いたぞ。」
「忘れてください。」
「それは無理かもな。」
「ルイ様、明日俺と街へ視察へ行きませんか?」
「え?しかし、ツカサ様が…」
「ダメに決まっているだろう。トウヤ、視察ならアキトと行け。」
「アキトは明日訓練だから無理だそうです。」
「なら命じればいいだろう。」
「俺はアキトの気持ちを尊重したいので、そんな事できません。」
「あー、分かった。だが、駄目なものは駄目だ。トウヤ、そろそろ戻れ。」
「嫌です。」
「…」
「あの…ツカサ様?トウヤ様も、そろそろお戻りになられた方がいいかと…」
「ルイ様が一緒に来てくれるのなら、戻ります。」
シーン…
「…トウヤ、俺は“戻れ”と言った。聞こえなかったか?早く部屋に戻れ。」
「…分かりました。無礼を働いてしまい、申し訳ありません。」
「…ふぅ、」
「ツカサ様、大人気ないです。」
「…すまない、少し苛立ってしまった。」
「トウヤに悪いことをしてしまった。あとで謝っておこう。」
「そうしてください。トウヤ様も…まぁ、少しお戯れが過ぎましたが。」
「ルイに触ったのは許さん」
「いや…それくらい良くないですか…と、言いたいところですけれど、私は貴方のモノなので否定はしません。」
「おお、俺のモノと認めるか?」
「はい。そうでないと貴方は納得しないでしょう。」
「まぁな。しかし、お前の真の言葉でないと意味がない。」
俺はルイを抱き寄せる
「お前が俺のモノだと自覚するまで分からせてやる。」
ルイは俺を押し退けた
「…流石にお戯れが過ぎます。ただのロゼに、そんな事しないで下さい。」
「ただのロゼだと?お前はまるっきり分かってないな。俺がどんなにお前を愛していて、必要としているか。」
「愛している?馬鹿なことを。私は貴方のロゼ、それ以前に男です。」
「性別は関係ないだろう。俺はルイを愛しているんだ。」
「…やめてください。仕事してください。」
「ん?照れたか?」
「照れてません。」
「そうか。可愛いな。」
「…はぁ、本当、やめてくださいよ。そういうの…」
from.アキト
焦った。ツカサ様の部屋にトウヤ様がいるからすごく焦った。けど、なにもしてなくて良かった…。トウヤ様から目を離さないように言っておかないと。
「あの、トウヤ様…」
「はぁ、」
「…トウヤ様!」
「アキト…」
「…今日はどうしてツカサ様の部屋へ?一人では行かないで下さいと、言いましたよね?」
「すまない、つい。しかし…」
トウヤ様は幸せそうな狂気を孕んだ表情を見せた。
「ルイ様を取られそうになって苛立つツカサ様、カッコよかったなぁ…」
_ゾクッ
(こわ…だから行くなって言ったのに。)
「ルイ様を取ったら…どんな表情するんだろうか…フフ、」
「トウヤ様、駄目ですからね。」
「フフ、すまない。だが、取るだけじゃつまらないな…もう取り返さないように…」
「ああ!ルイ様を殺せば…」
「トウヤ様!!!」
「アキト?」
「…駄目です。そのくらいにして下さい。本当に、もうやめてください。」
「どうしたんだ、アキト。そんな表情して…」
「…」
「あぁ、すまない。痛かったか?だが、俺はアキトのその表情、大好きだ。」
「その痛みに耐える表情が堪らない、アキト、この傷、ルイ様に竜にやられたと言っていたな?」
「…ッ、はい。」
「フフ、アキトは嘘吐きだな。全部俺がつけた傷なのに。別に嘘を吐かなくてもよかったんだぞ?真実を聞いた時のルイ様とツカサ様の表情も見てみたい…」
「…しかし、そうなればトウヤ様は罰せられると思います。」
「まぁ、そうだな。ツカサ様は許さないだろうし…それに、ルイ様もアキトを気に入っているし。」
「…そうですね。」
「…となると、アキトは何故そうしない?」
「それは…」
「こんな扱いを受けても尚、俺に対して不満がないと言えるのか?」
「不満は…ありません。だって俺は…トウヤ様にこの身を捧げると決めましたから。」
「フッ、まるで忠犬だな。」
トウヤ様に傷をつけられる度、受けた恩を思い出す。
俺がトウヤ様から受けた恩は数知れない。
幼い頃から、トウヤ様はツカサ様ばかり見ていた。ツカサ様は、ルイ様を見ていた。
別にいい。トウヤ様が俺を見てなくても。
ただ、この瞬間、トウヤ様が俺に傷をつける時だけは、俺を見てくれる。
それだけでいい。どうせ、トウヤ様につけられなくても傷は増える。だって、俺は騎士だから。
あぁ、ルイ様に呼ばれてるんだった。あとで行かないと。
from.ルイ
オレンジ色の空。もうすっかり夕暮れだ。
「アキトくん遅いな…」
「すみません、遅れました。」
「アキトくん、いらっしゃい。そこに座ってくれ。」
「ありがとうございます。」
やはり、彼は鍛え上げられた身体をしている。しかし、先日から気になっているのは傷の事だ。
「…竜の爪、ありがとうね。とても助かったよ。」
「ああ、いえ。またいつでも。」
「本当かい?頼もしいねぇ。」
しかし、中々切り出しにくい話題だ。さて、どうしたものか…
「…ルイ様、今日はトウヤ様がご迷惑をおかけしたそうで、」
「え?あぁ、いや、全然。むしろ、ツカサ様がトウヤ様に大人気ないことをしてしまって申し訳ないよ。」
「そうですか…」
微かにだが、傷を気にする素振りを見せた。
「その傷、どうしたんだい?」
「へ?あ、これは竜との戦闘で…」
「さっきはなかった。この僕に嘘をつけるとでも?」
「…」
しまった、脅しのようになってしまった。何か言いたくない、言えない事情があるのだろう。
「…すまない、脅すような事を言ってしまって。何もないならいいんだ。けど、治療はするよ。」
「この傷!…は、いいんです。」
「…どうしてだい?見ていてとても痛々しいのだけど…」
「申し訳ありません、不快にさせないよう、隠します。」
「そういうことじゃないよ!…余計なお世話だと思うけど、僕なりに心配しているんだ。」
「俺なんかを気にかけてくださり、ありがとうございます。けど、俺のことなんか気にしなくていいんで。」
「何故だい?」
「どうせ俺は庶民の成り上がりです。元々の地位が違う。」
「それを言うなら僕だって生まれは庶民だ。」
「そうですけど…」
「わかった。単刀直入に聞こう。…トウヤ様かい?」
「ビクッ」
やっぱり。アキトくんに傷をつけられる相手はトウヤ様くらいだろう。
「その反応、何かあるよね。君は少し忠誠心が強すぎるところがあるから…」
「トウヤ様は悪くありません!!」
「アキトくん…」
「トウヤ様が…俺を見てくれるんです。あの瞬間だけ、触れてくれるんです。だから…」
「…そうかい。すまないね。」
「あっ…申し訳ありません!ルイ様に無礼を…!」
「気にしないでくれ。せめて僕の前だけは…アキトくんでいて。」
「君が幸せなら、それでいい。」
幼い頃からずっとルイが好きだったツカサ。ルイを自分だけのものにしたいと思っていて、束縛、独占欲がすごい。ルイが早く自分に堕ちればいいと思っているが、強制はせず、あくまでルイの意思を尊重したいと思っている。
ツカサに尊敬以上の感情を抱いているトウヤ。愛情ではなく、これは狂気。いつからか、人の表情を見るのが好きになった。アキトのことはただの玩具のようにしか思っておらず、傷をつける事に一切の躊躇いはない。
トウヤにどれだけ虐げられても自分を見てくれるからと、全てを受け入れるアキト。むしろトウヤに傷をつけられる事に悦びを感じている。自分が必要にされてるという承認欲求が満たされるため、傷が治らないように大切にしている。
アキトに気のあるような素振りを見せるルイ。本当にアキトに気があるのかは分からない。ただ、アキトに気のある素振りを見せてツカサの独占欲や束縛心を煽っているだけかもしれない。ただ、全員の事を弄んでいるだけかもしれないし、本人は無自覚でなんとも思ってないかもしれない。それは本人にしか分からない。
追記
関係ないけど今回のイベントの類はえちおね
コメント
14件
最後w
お久し振りです! アキトの立ち位置が不遇すぎて見事性癖にぶっ刺さりました…()
これが本当の一☆方☆通☆行☆か...