テラーノベル
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夜中、誰もいないはずの家から声が聞こえた
ーー「助けて」
透は、玄関の前で立ち止まった。
自分の家だ。
誰もいないはずの二階の部屋から、
確かに声がした。
透は小さく息を吸い、静かに階段を上がる。
足音は床板に吸い込まれ、
どこか遠くで響いているようだ。
二階の廊下に出ると、暗闇の奥に窓があった
雨粒が夜の光を乱反射して、
揺れている。
透「誰だ……?」
返事はない。
だが、確かにーー
声は窓の向こうから聞こえてくる。
透はそっと近づき、窓を開けた。
雨風が吹き込み、カーテンが乱れる。
ーー窓の外には、暗闇しかない。
透が身を乗り出した瞬間、背後から声がした
「そこ、開けちゃダメ……」
振り向くと誰もいない。
廊下も部屋も、無人だ。
心臓が跳ねる。
目の奥に、薄い影が見える気がした。
ーー自分自身の影だろうか?
透は窓を閉めようとした。
その時、窓ガラスに映る自分の顔が、
ほんの一瞬だけ笑った。
ーー自分は笑っていないはずなのに。
息を呑んだ透が後ずさると、
床に髪が落ちていた。
手に取ると、そこにはこう書かれていた。
『助けを求めるのは、もう遅い』
透は背筋が凍る。
そして振り返ると、廊下の奥にーー
先程の影と同じ姿が立っていた。
影は口を開かず、ただ指を指す。
透は理解する。
ーーその影は、自分だ。
窓の外の声、背後の声、落ちた紙ーー
すべて、自分自身が
作り出したのかもしれない。
それとも、別の誰かなのか。
透は窓を開け、外を覗き込む。
視界の奥に、さらにもう一人、
自分と同じ顔が見えた。
その瞬間、
透は笑ったのか、
泣いたのか、
自分でも分からなかった。
窓の外の世界は、
雨に濡れたまま、
静かに揺れていた。
あとがき
読んでくださりありがとうございました
こちらは解釈の余地を教えたいと思います。
解釈の余地:
1.透は自分自身の狂気に囚われていた
→心理ホラー
2.影や声は他人の仕業
→誰かが仕組んだ恐怖
となっております
か私自が考えたやつですので
別の解釈もあると思います。
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