コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その後志保は仕事を押し付けていた事実が発覚しそれが社内全員に広まり皆から白い目を向けられた。
志保は会社に居づらくなり逃げるように会社を辞めた。
(これでもう全て解決したな)とまた非常口階段でタバコを吸いながらサボっていると
「あっやっぱりここに居た」と麻衣子ちゃんの声がした。
「どうしたの?」
「全部梶原君がしたんでしょ」
「なんの事?」
「志保ちゃんとか佳奈ちゃんの事」
「さぁね」と俺は誤魔化した。
「今日時間ある?話したい事あるから」
「なんだよ。ここでいえばいいだろう」
「いいからお願い。じゃあ公園で待ってるからね」と麻衣子ちゃんは仕事場に戻った。
俺は仕事が終わり公園へと向かった。
公園に近づけば近づくほど俺の胸の鼓動が早くなっていった。
(麻衣子ちゃんと二人で遊んだり一緒に居たりしたのになんだこの気持ちはやはり俺は今恋してるんだ)と思いつつ足早に公園へ向かった。
公園へ着き俺は麻衣子ちゃんの元へ向かった。
「待った?」
「ううん、全然」
「そう話って何?」
「まずは助けてくれてありがとう!梶原君に合わなかったらずっと、辛いままだったから」
「なんだよ改まって。俺が約束したからな助けるって」
「私梶原君がいて嬉しかったし幸せだったよ」
と麻衣子ちゃんが満面の笑みで言ってきた。
俺はその言葉を聞き、今まで抱いていた麻衣子ちゃんに対する気持ちが波のように消えていった。その時に気づいた。
俺は麻衣子ちゃんが好きなんじゃなく目の前で弱っている人を助ける事に喜びを感じていたんだと。
昔から自分の性癖やタイプなんて分からなかったが今回の事で自分の事が分かった。
そう考えていると続けざまに麻衣子さんが
「もし良かったら付き合って欲しいな」と手を差し出された。
俺はその手を握ることが出来なかった。
だから優しく
「ありがとう。でもゴメン。俺実は彼女がいるから無理なんだ」と嘘をついた。
「そうだよね。じゃあ今まで通り友達としてよろしくね」と言い残し麻衣子さんは去っていった。
俺はその後公園に咲いていたカタクリをみて
(カタクリの花言葉は確か初恋って意味もあったはず、俺の初恋はいつ咲くのだろう)と思い夜空をみながらタバコを吸った。