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カフェを出た後——
「……ねぇ」
ゆあんくんが、小さく口を開く。
「さっきの人……」
言いかけて、止まる。
「……」
誰も、すぐには答えない。
重い空気。
「……ほんとに知り合いじゃないの?」
のあさんが、不安そうに聞く。
「……うん」
もふくんが答える。
いつも通りの、優しい声。
でも。
「……」
誰も、納得していなかった。
「……」
ヒロくんが、静かに2人を見る。
もふくんとうり。
その距離が——
さっきより近い。
「……帰ろ」
うりが短く言う。
その声は、少し低かった。
―――
帰り道。
さっきまでの会話は、ほとんどない。
ただ歩く音だけが響く。
「……」
もふくんは、前を見たまま。
何も言わない。
「……」
うりも同じ。
でも。
その目は——
完全に変わっていた。
「……」
ヒロくんが、それに気づく。
(この空気……)
さっきまでと違う。
明らかに。
「……ねぇ」
ゆあんくんが、耐えきれずに言う。
「さっきから変だよ」
その一言。
「……」
空気が止まる。
「何かあるなら言ってよ」
真っ直ぐな言葉。
「……」
もふくんは、少しだけ止まる。
でも。
「……何もないよ」
また、同じ答え。
優しい声。
でも——
「……」
ヒロくんは分かる。
(違う)
「……」
その時。
「……来るぞ」
うりが、小さく言った。
「え?」
ゆあんくんが反応する。
次の瞬間。
「おい」
前から、声。
「……!」
数人の男が、道を塞いでいた。
さっきの奴らとは違う。
でも——
同じ種類の空気。
「……」
その瞬間。
もふくんとうりの空気が、完全に変わる。
「……」
静かに、一歩前へ。
「……」
言葉はない。
でも。
「……」
周りの空気が、張り詰める。
「……何あれ」
ゆあんくんが小さく呟く。
「……」
のあさんも、息を呑む。
「……」
ヒロくんは、確信する。
(これが……)
(本当の2人だ)
「……」
男たちが近づく。
「やっと見つけた」
ニヤつく顔。
その時。
「……」
もふくんが、一歩出る。
そして。
「帰れ」
低い声。
今まで聞いたことのない声。
「……は?」
男が止まる。
「……」
その一言だけで。
空気が、支配される。
「……ちっ」
男が舌打ちする。
「なんだよその目」
睨み返す。
でも。
「……」
もふくんは、動かない。
ただ見ている。
冷たい目で。
「……行くぞ」
うりが、横に並ぶ。
同じ空気。
同じ目。
「……」
2人が並ぶだけで——
圧が変わる。
「……」
男たちが、一瞬だけ躊躇する。
「……なんだよ、こいつら」
小さく呟く。
そのまま。
「……ちっ」
「今日はいい」
そう言って、離れていく。
完全に、逃げた。
―――
「……」
静寂。
誰も、すぐには動けない。
「……」
もふくんが、ふっと力を抜く。
「……行こ」
いつもの声に戻る。
でも。
「……」
誰も、動かなかった。
「……今の」
ゆあんくんが、震えた声で言う。
「何……?」
その問いに。
「……」
答える人は、いなかった。
ただ。
一つだけ。
確実に分かったこと。
「……」
この2人は——
普通じゃない。