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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
アモンの時間 俺だけの綺麗な
『体育祭最後の種目!借り物競走!選手の皆さんは準備をお願いします。』
そして、私の前に立つ彼。
(私…私が選ぶのは――。)
『一緒に来てくれるっすか?』
『アモン…。 』
『俺は華さんと出会って全てが変わったんすよ。今まで強くなりたい理由も、誰かを守りたい理由もなかったっすから。でも、華さんだけは……俺が一番近くで守りたい大事な人っす。花が咲いたような可愛い笑顔を見る度に俺は…。いつも救われてたんすよ。』
『私が……アモンを…。』
『でも、これから先はその笑顔は俺にしか見せちゃダメっすよ。』
アモンは跪いて私の手を取る。
『俺の…俺だけの花でいてください。』
チュッと手の甲にキスを落とす。
『っ……!』
顔がぶわっと赤くなる。
『くすっ。薔薇みたいに真っ赤っすね。』
『あ、アモンのせいだから……』
『それは申し訳ないっす。』
アモンはニヤニヤ笑いながら私を見つめる。
(絶対思ってない。)
『それじゃあ行くっすよ。』
アモンは再び私の手を取る。
そして、ゴールまで一緒に走る。
やっと、やっと俺だけのものだ。
もう、誰にも渡さない。この笑顔を守るのは俺だけ。
数日後――。
恋人同士になった私達、同じクラス隣の席というのはやはり恥ずかしい。
『…あの、アモン。』
『ん〜?どうしたんっすか?』
『そんなに見られたら…その…』
『照れちゃうっすか?ふふ、可愛いっすね〜ほんと。』
『っ…。』
私たちは教室で日誌を書いていた。
『じゃあこれを職員室に持っていかないと。』
『……。』
グイッ!
『え、わっ!』
アモンは私の手を引っ張った。
バランスを崩した私はアモンの上に覆い被さるように座る。
『っ……』
『せっかく二人きりなのに…もう行っちゃうんすか?』
『っ、でも、日誌が……』
『ハナマルさんならどうせ職員室にいなくて
探すのに時間かかるだけっすよ。それよりせっかく恋人同士になったんっすから。らしいことしましょうよ。』
『恋人らしいことって……っ。』
クイッ。
アモンは私の顎を持ち上げる。
『それを聞くのは野暮っすね?』
『ん…っ。』
噛み付くようにキスをされる。
『ん、は…っ!アモ、誰か来たら…っ。んんっ。』
喋らせないと言うばかりにキスの雨は降る。
抱きしめられているため逃げることも叶わない。
『っ、んぅ……』
ギュッとアモンの肩を掴む。
『…ぷはっ!はぁ、はぁ……っ。』
『その蕩けた顔…すごくそそるっす。』
『っ、もう、これ以上は…。』
『これから先こんなことばかりなのに…このままじゃ持たないっすよ?』
『っ〜!』
耳元で囁かれてはたまた顔が赤くなる。
ボスっ!
『いたっ!』
『アモンのバカ!』
私は日誌でアモンの頭を叩く。
『ちょ、華さん!?どこ行くんすかー!』
ドキドキする毎日に耐えられなくなりそうだ。だけどそれでも私は彼がいい。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__