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管野アリオ
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今日観るのは、公開以来話題になっている恋愛映画。
お互いに惹かれ合っていたにもかかわらず些細なすれ違いで離れてしまった二人が偶然再会し、友人として距離を縮めながらも失うことが怖くて気持ちを伝えられない。
そんなもどかしい時間が続いた物語の終盤、ヒロインが雨の中で泣きながら立ち去ろうとした時、ヒーローが彼女の腕を掴み、『もう友達じゃいられない』と震える声で告げる。
そして、『あの頃からずっと好きだった』と告白したヒーローにヒロインも、『私も――ずっと好きだった』と想いを伝え合い、両想いだったことが分かった二人は抱き締め合い、そのまま唇を重ねた。
スクリーンいっぱいに映し出されるキスシーン。
その瞬間、亜佑美は妙に隣が気になった。
すぐ隣には肩が触れそうな距離に朝陽が居て、視界の端で朝陽もじっとスクリーンを見つめているのが分かった。
そんな二人の手は肘掛けの近くに置かれていて、少し動かせば触れてしまいそうな距離にある。
(手、繋ぎたい……)
ふいにそんな衝動が亜佑美の頭を過る。
(触れたらどんな顔、するかな)
そんなことを考えてしまうも亜佑美は慌てて視線をスクリーンへ戻し、ぎゅっと自分の手を握り込む。
その間にも映画は進みエンドロールへ。
亜佑美の心臓は映画が終わるまで落ち着くことがなかった。
やがて館内が明るくなる。
「……終わりましたね」
「う、うん」
返事をしたものの、亜佑美は自分の声が少し上擦っている気がするし、朝陽もどこかぎこちない感じがした。
それは恋愛映画の余韻なのか、それとも別の何かなのか、二人ともその答えは分からないまま席を立ち、人の流れに合わせて映画館を出た。
外へ出ると、ようやく少しだけ息がしやすくなった気がした。
「良い映画でしたね」
「そうだね」
朝陽の言葉に答えながらも亜佑美の胸の鼓動は未だ速いまま。
隣を歩く朝陽との距離はいつもと変わらないはずなのに、亜佑美は何故か妙に近く感じていた。
二人は映画を観終えると、そのまま朝陽の自宅へ向かう為駅へ向かい電車に乗る。
土曜日の午後ということもあり、電車の車内はかなり混み合っている。
朝陽は周囲を見渡して車両の端に二人分のスペースを見つけると、自然な動作で亜佑美の手を取った。
「こっちです」
そう言って人混みを抜けて壁際へと誘導すると亜佑美を壁側に立たせて自身はその前に立った。
混雑した車内で他の乗客とぶつからないようにするための配慮だと分かっていても、すぐ目の前に朝陽がいる状況に亜佑美の心臓は落ち着かない。
(近い……)
少し顔を上げれば視線がぶつかってしまうほどの距離で、電車が揺れるたびに意識してしまい亜佑美は速くなる鼓動を誤魔化すように視線を逸らした。
そのまま数駅を過ぎて三駅目で下車し、改札を抜けると二人は並んで住宅街の中を歩いていく。
「この辺は来たことないけど、結構住みやすそうだね」
亜佑美が周囲を見回しながら言うと朝陽は頷いた。
「はい。人通りもそれなりにありますし、遅くまで営業しているお店も多いので比較的治安も良いですよ」
そう答えた後、少し先を指差す。
「あ、あと少しで俺の住んでいるアパートです」
その時だった。
「――亜佑美?」
背後から名前を呼ばれて二人が反射的に振り返ると、そこに立っていたのは背の高い男。
明るく染めた髪に耳元に光る複数のピアス。
ラフな服装と軽薄そうな笑みが、どこか遊び慣れた印象を与えている。
そんな男を見た亜佑美は驚いたように目を見開き、
「……陸人」
思わず零れた名前に陸人と呼ばれた男は口元を吊り上げる。
「やっぱ亜佑美じゃん。久しぶりだな」
親しげな口調とは裏腹にその笑みにはどこか引っかかるものがあって、隣で様子を見ていた朝陽は小さく首を傾げる。
「……お知り合いですか?」
そう問い掛けるが、亜佑美が答えるより早く陸人の視線が朝陽へ向けられた。
「へぇ……」
それは値踏みするような眼差しで、再び亜佑美へと視線を戻す。
「誰? コイツ」
陸人は面白そうに目を細めた。
「……もしかして、新しい男?」
その瞬間、亜佑美の表情が僅かに強張ると、朝陽はその小さな変化を見逃さなかった。
コメント
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うわあ〜このエピソード、映画館のシーンからもうドキドキが止まらんかった😭💕 隣に朝陽くんがいて、手繋ぎたいって思っちゃう亜佑美の気持ち、めっちゃ分かるし共感しかない!! しかも電車の中での近さとかヤバすぎるよ…壁ドンならぬ壁際ガード、朝陽くんナイスすぎるでしょ✨ 最後の元カレっぽい陸人の登場で一気に空気変わったのも続きが気になりすぎる…次どうなるの!? 亜佑美がんばれー!🔥