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泣きかけで朝起きてくる
「ごめん、ちょっと話があるの」
やっぱりだ
恐る恐る母は僕に話しかける
僕は薄々分かっていた
昨夜の出来事
「お前、またしたのか!」
「そんなこと言うんだったらやってみなさいよ!」
「俺は仕事、お前は家事だ!」
「あんたっ!もう別れましょう」
「いいさ、決定だ」
僕は布団にくるまって泣いていた。
頭では分かっていても、体が納得しない。
結局、眠ることはできなかった。
「ごめん、離婚することになったから引っ越すわよ」
お母さんが俯いたまま言った。
昨日の涙が溢れそうになる。
僕も俯いたまま言った。
「うん」
冗談であってほしい。
嘘だと言って欲しい。
ただ、確かに家にお父さんの姿はなかった。
「けんと、行くわよ」
なにか無理をしているような声だった。
僕は引っ越すのが怖かった
新しい学校に通うのが怖かった。
あたらしい家までの道は長かった
でも、お母さんと僕は話さない。
「ついたわよ」
新居は、綺麗とは言えないがいい家だった。
そして、新しい学校一日目…