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夜。撮影の合間に用意された仮眠室。部屋の片隅に、こさめが丸くなってうずくまっていた。
誰にも頼れない。
なつくんにも、突き放された。
これから、自分で全部決めなきゃいけない。
それが苦しいって思ってしまった自分が、いちばん嫌だった。
静かにドアが開く。
🎼🍵「……こさめちゃん、ここにいたんだねぇ」
🎼☔️「……すちくん……」
すちはそっと近づいて、隣に腰を下ろした。
何も言わず、ぽん、と背中に手を置く。
🎼🍵「つらいときは、ちゃんとつらいって言っていいんだよぉ」
🎼☔️「……こさめ、そんなこと……言えないよ」
🎼🍵「ううん、俺にだけは、言っていいんだよぉ。
こさめちゃんは、がんばりすぎちゃうとこあるから……」
🎼👑「……すちくん、そこにいたの?」
みことがひょこっと顔を出す。
どこか不機嫌そうな顔をしながら、すちの隣に立った。
🎼👑「俺、探したんだけど。
ひとりで消えるの、なしって言ったよな」
🎼🍵「えへへ、ごめんねぇ、みこちゃん」
🎼👑「……まぁ、こさめちゃんがいたなら仕方ないか」
こさめは驚いたように顔をあげる。
🎼☔️「みことくん……なんで、そんな優しいの?」
🎼👑「俺?優しくなんかないよ。
ただ……すちくんが泣いてたら、俺が困るから」
すちがくすっと笑う。
🎼🍵「みこちゃんのそういうとこ、大好きだよぉ」
🎼👑「……うるさい」
こさめは、ふたりのやりとりを見て、ふっと笑った。
あたたかくて、ちょっとまぶしくて――でも、ほんの少しだけ、うらやましい。
🎼☔️「ねえ、こさめ……間違ってたかな」
🎼🍵「ううん。こさめちゃんは、間違ってないよぉ。
ヒートも、自分の気持ちも、どっちもちゃんと感じてえらいの」
🎼👑「そう。お前はちゃんと人間だよ。
アイドルでも、マフィアに狙われてる存在でもない、“こさめ”なんだろ?」
その言葉に、こさめは泣きそうになって――でも、堪えて微笑んだ。
🎼☔️「……ありがとう、すちくん。みことくん」