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まるで時間が止まったかのような世界で
僕は、周りを見渡した
「……やっぱり……そんなに変わらないや」
そりゃあそうだろう
植物も人も生き物達も 見た目は、変わるけれど中身は、殆ど変わらない
僕の見えてる世界は、何一つ成長なんて感じさせないんだ
変わらない 街の雑音
変わらない 『見た目』だけの植物
変わらない 本心を隠した僕
枯れゆく薔薇の花を一度見た事があったけれど
僕は、特別綺麗だなとは思わなかった
『嗚呼…ただただ 枯れてるだけだな』
それしか感じなかった
生活音と雑音が混じり合うこの世界
綺麗だななんて感じた事は、ない
ただただ 僕たちは、生きてるんだな
腐り続けてるんだな
それしか感じられない
そんな愚痴を心の中に零す度
僕は、もっと何も考えられなくなる
好きって何?
嫌いって何?
死って何?
生きるって何?
疑問しか出てこなくなる
もういっその事 屍になった方が
楽なのだろうか…
そんなの一度屍になってみないと分からない
皆 見ないフリをしてるんだ
自分の本心から_
知らないままだったら 変な感情なんて零れ落ちやしないんだから
僕は、スケッチブックの入った鞄を抱えた
僕自身の色は、分からなくても 色を付けることは、出来ると思ったから_
鞄からスケッチブックを取り出し
一枚の絵を見る
そこには、笑っている少女が描かれていた
「…良いな……僕も……笑えたらな」
そんな贅沢な愚痴
吐く事は、容易かった
指先で 絵を触る
少しザラザラとしている紙は、小さい棘の様に感じれた
この絵の中の少女も 悩みを抱えて笑っているのだろうか
それとも……悲しい事を隠す為に 笑っているのだろうか
どっちにしろ 僕には、分からない
そういえば……明日は、学校だなぁ……
憂鬱な気持ちで 明日の予定を確認する
友達と言える友達なんていないから
行っても楽しくなんてない
むしろ 家でのんびりと考え事をする方が楽しい
…まぁ…そんな事考えても仕方ないけど_
スケッチブックを鞄にしまいながら
僕は、歩き出した
ほんのりピンク色の雲が見守ってくれたのがほんの少しだけ 嬉しかったのかな……?