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「佐藤さんは、なんで俺の告白にOKしてくれたの?」
「うーん、同僚だったから中も良かったし」
「それに、話が合うから、もっと知りたいなって思ったのがキッカケかな?」
「そうなんだ…」
「もちろん俺も佐藤さんのこと知りたいからね?」
やっぱり好きだなぁ…。
付き合って結構経ったある日、
「俺さ佐藤さんの家行ってみたいんだけど…」
「いつも俺の家にばっか招いてるじゃん?」
「あー..確かにね?」
「あと…佐藤さんの家見てみたいし…」
『家』を見てみたい…。
でも、私の家って普通じゃないから…。
優くんは私の『家』どう思うんだろう。
きっと大丈夫だよね?
「ここだよ」
そう言って私は玄関の扉を開ける。
途端、
いつものように壁から白い手が出てきて
『おかえり!』
と描いた紙を見せる。
「は…」
「何これ…」
「優くん…?」
「どうしたの──」
「こんな家に住んでる彼女とか気持ち悪ぃ!!」
「別れよ!!」
そう言って優くんは逃げるように帰っていく。
優くんなら大丈夫だって思ったのに…。
私は玄関に座り込むように泣き崩れた。
『ごめん』
『ごめんね、僕が出てきちゃったから』
『ごめんなさい』
そんなことが描かれた紙がふわふわと
上から落ちてくる。
違う。
違うよ。
『家』のせいじゃないから…。
『家』は悪くないから。