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第33話『総力戦』
蕞の平原。
両軍が向かい合う。
秦軍。
麃公。
桓騎。
虹桃軍団。
信率いる飛信隊。
対するは。
李牧。
龐煖。
そして趙軍主力。
まさに総力戦だった。
風が吹く。
誰も動かない。
そして――
「進め。」
李牧が静かに命じた。
ドォォォォォン!!
太鼓が鳴り響く。
数万の趙軍が前進を始める。
それに対し。
「突撃じゃァァァ!!」
麃公が真っ先に飛び出した。
理屈ではない。
本能で最も熱い場所へ向かう。
麃公軍が中央へ突撃。
趙軍中央が激しく揺れる。
その右では飛信隊。
信が剣を掲げる。
「続けぇぇぇ!!」
飛信隊も突撃。
河了貂の指示により趙軍右翼へ攻め込む。
左翼。
虹桃軍団。
じゃぱぱが叫ぶ。
「全軍前進!」
なおきりが先頭に立つ。
シヴァ隊が側面を駆ける。
のあともふは後方から指揮を飛ばす。
虹色の旗が戦場を駆け抜ける。
そして。
桓騎軍だけは動かなかった。
摩論が尋ねる。
「行かないんですか?」
桓騎は笑う。
「慌てるな。」
「獲物は逃げねぇ。」
その視線の先には李牧本陣。
桓騎は最初から李牧だけを狙っていた。
中央戦線。
麃公が暴れる。
矛が唸る。
敵兵が吹き飛ぶ。
しかし。
その前へ現れたのは龐煖。
「再び来たか。」
龐煖が矛を構える。
麃公も笑う。
「今度は決着つけるぞ。」
再び激突。
大地が揺れる。
その時だった。
なおきりが馬を走らせる。
「麃公将軍!」
龐煖が振り向く。
なおきりの槍が一直線に迫る。
ガァァン!!
龐煖が受け止める。
「またお前か。」
なおきりは笑った。
「一人で戦わせへん。」
麃公も豪快に笑う。
「ガハハハ!」
「面白ぇ!!」
武神・龐煖。
本能の将・麃公。
虹桃軍団十二将・なおきり。
三者の戦いが始まる。
一方。
李牧本陣。
副官が報告する。
「中央が押されています!」
「左翼も突破されそうです!」
しかし李牧は冷静だった。
「問題ありません。」
地図の上に駒を置く。
「ここで終わる戦ではありません。」
その時。
後方から新たな報告が飛び込む。
「李牧様!」
「桓騎軍が見当たりません!」
初めて。
李牧の表情がわずかに変わった。
「……消えた?」
誰にも気付かれぬまま。
桓騎軍が戦場から姿を消していた。
そしてその頃。
趙軍本陣のさらに後方。
森の中で。
桓騎が不敵に笑っていた。
「さて。」
「李牧を驚かせてやるか。」
桓騎最大の奇策が、ついに動き出そうとしていた…。
#リゼロ
すず
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コメント
1件
わあ、めちゃくちゃ熱い回でしたね…! 総力戦ってタイトルがもうそのままの展開で、鳥肌立ちました。特に、各将の動きが一気に描かれる中で、桓騎だけが動かずに李牧だけを狙ってるのがゾクゾクしました。「獲物は逃げねぇ」のセリフ、渋すぎる…! そしてなおきりさんが龐煖と麃公将軍の戦いに割って入るシーン、めちゃくちゃ好きです。「一人で戦わせへん」の関西弁もキャラにぴったり。最後の桓騎の奇策、次回が待ち遠しくなりました!🍙さんの戦場の描き方、本当に迫力があって目に浮かびます。