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筋力だけで笑顔を見せてる真衣香につられてか、坪井もまた歪な笑顔を見せて聞き返してきた。
「ごめん……」
「ん、え?いや、ごめんって変でしょ」
そして、また沈黙。
真衣香が言葉を探している間に目の前の坪井が、はあ……。と、それはそれは大きく長いため息をついた。
ビクリと真衣香が肩を震わせると、ハッとしたように肩を掴まれる。
「ストップ!違うよ、マジで言葉のまま!えーっと、変っていうかごめんなら俺の方だしってこと」
掴まれてた肩から、ゆっくりと手が離される。
そして何やら考えるように腕を組んで首をひねる。
「坪井くん、あの、どうしたの」
「んー。いや、お前結構飲んだし帰らせるの心配なんだけどさ〜」
と、言葉の途中で再び指を絡められ、歩き出す。
ホテルに背を向けて……だ。
「でも、このまま一緒にホテル入ったら俺絶対手出すし、帰ろ」
「え!?か、帰っちゃの?」
何故だかわからないが、ひどく不安になった真衣香は縋るように坪井を呼び止めた。
彼が、グッと絡めた指に力を入れたのが伝わってくる。
「坪井くん……?」
「……あー、っと」
歩くのをやめて、繋いでない方の手で坪井は額を押さえた。
次に真衣香の方に振り返って、困ったように笑顔を見せた。
「お前さぁ、そんな可愛かったっけ?」
「え?」
「俺酔った女の子とか見慣れてるはずなんだよなぁ〜、上目遣いも慣れてるはずだし」
何やら、らしくなくボソボソと小さく呟き続けている。