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里見弴視点


城の崎にて、潜書

僕が知っている世界じゃなかった

荒れてる…

里見:「行こう。早くしなきゃ連れてかれる」

なんで…こんなことが出てきたんだろ…

連れてかれるはずないのに…

藤村:「…聞いちゃうと良くないって思ってたけど今だから聞くね」

藤村:「大切な人を失うってどういう気持ち?」

答えない

というより、言える筈なかった

透谷が止めてくれたものの、僕にはどういうことかわかる余裕もなかった



最深部

武者:「これが………」

里見:「だとは思うんだけど…」

違う

本当に侵蝕されてるなら著作のどれかで侵蝕者の姿になった直哉がいる筈だ

それとも………

藤村:「とりゃ」


里見:「え………」

嘘だ

効いてない

透谷:「侵蝕が深すぎて効きませんね」

どうしたらっ…

その時だった

坪内:「どうやら私たちの登場アピアランスのようですね」

坪内さんが来てくださった

降臨ゲージが溜まってる

坪内:「さぁ、クライマックスですよ!」

四迷:「スパシーバありがとう、逍遥さん!」


里見:「やっと効いた…」

武者:「どうして…直哉が……」

そんなの考えてる場合じゃない

けど…ダメージが多いな…

坪内:「先程、司書から連絡がありまして…」

坪内:「実は…“范の犯罪”に潜書した会派で絶筆者一名佐藤春夫の死亡を確認、喪失2名で撤退しました」

里見:「え………」

もうそこまで進んでる…

早いよ…

武者:「直哉は、直哉本体についてわかったことは?」

坪内:「范の犯罪と此処、城の崎にてには存在しません」

嘘じゃん………

こんなにも気配があるのに…

四迷:「作品が後期のものほど気配が強くなるらしい」

沈黙

透谷:「なら…その、後期の作品を中心に廻るべきなのでは?」

坪内:「それが良いと思うのですがね…」

暗転


図書館に連れ戻された

司書:「“正義派”で敗北、“雨蛙”がたった今最深部に到達」

司書:「で、君らも…敗北かな」

里見:「…はい」

どんどん敗れていく現実を直視する事はできなかった


補修室、手当を受けていた

鴎外:「酷くなる一方だな」

里見:「はい…攻撃の効きが悪いようで…」

これには森先生も意外ならしく、考え込んでしまった

茂吉:「聞いた事ないですね…」

鴎外:「嗚呼、今世初の異常事態だな」

最年長とされる(転生順でね)森先生でも経験したことないらしい

ベッドで、范の犯罪に潜書した会派が眠っていた

傷だらけだ

里見:「太宰君……」

佐藤さんが絶筆してしまった以上、もう絶筆者を出したくない

それなのに

司書:「あ“あ“あ“あ“あ“!!梶井が!梶井がぁぁぁぁ!!」

また、絶筆を起こしてしまった

里見:「どの本ですか!?」

司書がとり乱しすぎて会話になってない

司書:「でも本体がいた!やったよ!これはお手柄だ!」

里見:「どの本なんですか…」

司書:「あ、弴君」

司書:「考えてみな、もう今までの情報で絞れる筈だ」

司書:「取り敢えず超速機を…」

行ってしまった…

鴎外:「今梶井が絶筆した本、君なら覚えてる筈だ」

そんなこと言われても…

あ、もしかして

茂吉:「生憎、私の知識外ですね」

鴎外:「あっ、ちょ!」



気づけば、走り出していた

目指すは‘あの本’



わかった

これで全て解けた

通信を入れる

里見:「今来れるピンピンしてる人と降臨ゲージ溜まってる人と多喜二君来て!」

春風に吹かれて、キミ1人

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