テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
小林多喜二視点
直哉サンの本が侵蝕されるとは思っていなかった
その時は買い出しに行っていた
だからメールで知った
直哉サンがアブない、と
それから、大急ぎで図書館に戻った
既に侵蝕が進んでしまっていて、何人も絶筆していた
多喜二:「嘘…だろ…」
信じたくない
これはまだ夢だ
里見さんから通信が来た
僕に…出来ることがあるのだろうか
里見:「皆んな…来たね」
皆がいる
久米さん菊池さん三好くん……
その中に重治を見つけた
多喜二:「重治…本当はどういう状態なのか教えてくれ」
重治:「多喜二…志賀さんの著作全て侵蝕されたのは聞いてるでいいかい?」
重治:「しかも暴走してる」
重治:「何度も敗北したし、何人も絶筆した」
重治:「最深部まで辿り着けないこともあった」
重治:「でも…梶井が絶筆したことで全て解けた」
重治:「そこに今から行くのさ」
多喜二:「それで呼ばれたのか…」
納得いく
里見:「じゃあ…“白樺”へ、潜書お願いします」
直哉サンの思い出と共に
潜書
何時になく暗く、じめっとした空気が纏わりついていた
武者:「僕らの精神にもリンクする雑誌だから…守れなきゃ被害が広がる…」
直哉サン…僕を弟子として可愛がってくれた
誕生日なんて大きなケーキを作ってくれた
何かあるとすぐに祝ってくれた
あの、優しくて広い懐の人
何も恩を返せていない
だから…
返そう
志賀直哉視点
白樺、最深部にて
俺は…何時迄気を失っていたのだろうか
頭が痛く、視界が眩む
そうだ、朝食をとって、食堂から戻る時に侵蝕者に内部を取られたんだ
皆に迷惑かけてるらしい…
行かねえとまずいな
っ動けない?!
嘘だろ…
侵蝕者に固定されてる…
ごめんな…
多喜二…
武者…
多喜二、里見視点
たった今、直哉(直哉サン)の声が聞こえた気がする
何処からだろう
里見:「誰か…聞こえてない?」
多喜二だけだ
多喜二:「僕なら…聞こえましたけど…」
けど
その先が出ない
里見が無言で合図する
里見:「行こう」
多喜二:「…はい」
里見:「武者君、そっちの対応は任せた!」
武者:「え、どこ行くのっ!!」
呼び止めた気がした
でも…行かなきゃで止められなかった
その声の方へ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!