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碧野葉菜
3,558
都築七美
278
てく
1,872
いろりが登校すると、蛇珀は周辺を散歩する。
空間移動ができるため、行動範囲は広く、例え全国の端から端でもすぐに行くことができる。
その見回りも神の仕事の一つではあったが、強制ではないため蛇珀は今までほとんどしたことがなかった。
しかしなぜかいろりに出逢ってからというもの、人間界に興味を持ち、その辺りを訳もなく散策する機会が増えた。
今日も目的もなく住宅地や田畑を眺めながらゆっくりと歩く蛇珀。
ちなみに姿は人に見られないよう消してあるが、見られたところで人の記憶を消すことも可能である。
蛇珀は田畑に囲まれた道端で、何かに気づき足を止めた。
——猫である。
人の目からすればかなり遠くであるが、蛇珀にはすぐ目の前にあるように見ることができる。
黒猫は身体中に切り傷が刻まれており、小さな身体を横たえ、震わせていた。
その傷口から恐らく烏などではなく、人間の仕業かと思われた。