TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
猫の好奇心

一覧ページ

「猫の好奇心」のメインビジュアル

猫の好奇心

3 - 第1章 赤く光ったあのひとみ 第2話

♥

212

2024年07月02日

シェアするシェアする
報告する

ここは…家の中でもリビングに当たるところといったところか…。彼らしい部屋の雰囲気も無く、何処か沈黙が漂っている。なんというか…ぽっかりと穴が空いた…物足りなさ?っていうのだろうか。

部屋は綺麗で整っているのに不気味な程に違和感がある。


「…なにこれ…猫の餌??」


最初に目に付いたのは猫のエサだった。

しゃがんで1つ餌を手に取り観察する。

まだそんなに出してから時間は経っていないであろう餌、湿った雰囲気もない、カピついてる雰囲気もない。

アッキーナが取りつかれたのは……今日の朝…か…?エサから色々推測ができるのはありがたい。いつ取り憑かれたとかで除霊のしやすさは変わる。

完全にアッキーナの身体に馴染む前に祓わなければ、にじさんじ的にも、世間的にも色々マズイことになるだろう。

どっちにしろ急がなければならない。最終的には祓うのだ、どうせなら祓う時楽な方がいい。


「…あれ。…おかしいな。」


猫のエサはあるのに、肝心のネコがいない。…何故?

軽く辺りを見渡してみた。キャットタワーや、ソファ、ちょっと質のいい猫の家みたいなのと、猫の為の部屋といえるような構造。

多分…猫の家とかにいるんだろうな。


「ま、収穫はぼちぼちかな、僕の方は。椎名と合流するか…」


部屋を背後にしようと思ったが…。


「や、まぁでもせっかく猫いるならちょっとだけ…」


アッキーナん家のお猫様だが多分許してくれるだろう…ちょっとだけ…そうちょっとだけ!!!


「…猫ちゃ〜ん、ほら、エサですよ〜…?」


さっきの餌をキャットホームの前に置き、そっと覗く。

案の定そこに猫はいた。すごい怯えている様子で、こちらをじっと見ていた。

警戒心高いなこの猫ちゃん達…。まぁ会ったことのない人間が急に顔出しても最初はこうだよな…


「どうしたら猫は心を開いてくれるんだ…?」


そんなことを考えては猫に釘付けになっていた。


『…おい、剣持…』


ふとそんな声が聞こえて反射的にばっと後ろを振り向く。


「っ!?!!?!?し、椎名これはちが…」

『なぁ〜に捜査サボってんねん〜!!』


ぺし、と椎名に叩かれ喝を入れられる。


『猫ちゃんが可愛いのは分かるけどなぁ~!!構ってる暇があてぃしらには無いんよ!?分かるか~!?』

「わ、分かってますって…」

『はぁ~…まさか剣持が媚びてるなんてなぁ~…ガっくんに伝えたらもうビックリするんちゃう?』

「は、は!?媚びてねぇから!!!!?!」

『はいはい、w』


ちょっと不服な気持ちにはなったが、猫に釘付けになっていたのは事実…、この僕が猫に…

…ごほん、まぁまぁ人類興味惹かれるものは多々あるはずですし、これは仕方ないこと…

と自分に言い聞かせる。自分に言い聞かせないとやっていけない…。


「…椎名、ところで上に何かあった?」

『ぁ、あぁ~、忘れとった忘れとった、!!そ、この紙切れが机の上に置いてあったんよ~!』


椎名がポケットから1枚の紙を開く。


“マンゲツノヨル ツキガハンシャスル ミズウミノホトリ デ マッテイル”


字は明らかにアッキーナのではない。まるで別人のようだ。筆記体は柔らかく、昔の草書に似た雰囲気の文字だ。

アッキーナに憑いてる霊はかなり昔の霊なのだろう。


「ここら辺で月が反射する湖って言ったら…あそこしかないんだけど…」


駅近くにとっても広くて壮大な公園の施設がある。僕も度々ここに来ては遊んだりしている。その公園の1つのエリアに、広く展開された湖が広がっている。昼間はボートやスワンで湖の上を楽しみにしてくる人で溢れかえっている。


『ウチもそう思うわ。…な、満月の夜っていつやったっけ… 』

「確かもうすぐだった気がする…3日後とかそんくらいじゃない?」

『てことは…』

『結構すぐやん!?』

「そうだよ!?!ちんたらしてたらもう明那ヤバいから!!!そうと決まれば早速準備しないと!!!!」

『剣持もっと早く言ってや~!!!』

「この紙切れ見つかったの今日だから!!」

____ギャーギャーそう騒ぎ立てては、急いでアッキーナの家を背にして飛び出す。

この3日間はきっと忙しくなる。かならず祓わなければならないのだ。

念入りに準備して、明那に憑いている霊の正体も調べる。今までとは珍しいタイプの霊だ…準備していかないと返り討ちにあうだろう。

loading

この作品はいかがでしたか?

212

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚