テラーノベル
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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
―ロボロ視点―
ナースステーションで、カルテの整理をしながらも、ロボロの意識はずっと、さっきの病室に残っていた。
……敬語。
完璧な受け答え。
隙のない距離。
rbr(……あれは、あかん)
自分で引いた線やのに、その線の向こうに、もう戻ってこれへん気がしてしまう。
理由は、はっきりしてる。
態度。
距離を取る前触れもなく、急に冷たくしたこと。
でも、
rbr(……何て言う)
「ごめん」
それは、何に対してや?
医者として?
それとも――
rbr(……患者に、そんな謝り方できへん)
“気持ちを混乱させた”なんて、医者が言っていい言葉やない。
廊下を歩きながら、何度もシャオロンの病室の前を通る。
ノックしようとして、手が止まる。
rbr(今、行ったら)
「何かありましたか、先生」
あの距離で返されるのが、目に見えてる。
それでも……
rbr(……それでも、言わな)
傷つけたって気づいた以上、なかったことにはできない。
看護師に呼ばれて、一度その場を離れる。
仕事。
仕事や。
……なのに。
rbr(次、会った時)
次、が来る前に、“何か”を残したい。
謝罪じゃなくてもいい。
説明じゃなくてもいい。
ただ、「冷たくしたのは、シャオロンのせいじゃない」それだけでも、伝えたい。
でもその言葉が、一番、越えてはいけない線やと分かっている。
rbr(……詰んどるやろ)
自嘲気味に息を吐く。
距離を取るって、近づかないことやと思ってた。
違う。
“言葉を失う”ことや。
―シャオロン視点―
午後の病室は、時間の流れが、やけに遅い。
sha(……まだ、こんな時間か)
ベッドに座って、時計を見る。
ロボロが来てから、ずっと、胸の奥がざわざわしている。
sha(……ちゃんと、できてたよな)
敬語。
簡潔な返答。
余計なことは言わない。
“患者として、正しい態度”。
sha(……それでいい)
そう決めた。
決めたはずなのに。
sha(……しんど)
体じゃない。
頭でもない。
68,209
気持ち、だけ。
ロボロに聞きたいこと、いっぱいあった。
なんで急に距離取ったのか。
俺、何かしたのか。
昨日のこと、どう思ってるのか。
sha(……でも)
聞いたら終わる。
聞いて、「気のせいだよ」「医者だから」そう返されたら。
sha(……耐えられへん)
だったら、最初から聞かない方がいい。
シーツを、ぎゅっと掴む。
sha(……淡々としてれば)
これ以上、傷つかなくて済む。
期待しなければ、失望もしない。
sha(……そう、分かってる)
でも。
sha(……会いたい)
声を聞きたい。
目を見て話したい。
名前を、呼んでほしい。
sha(……もう、限界や)
息を吸うと、胸が痛い。
吐くと、喉が詰まる。
sha(……俺、何やってんだろ…)
“嫌われないために距離を取る”って、結局、一番欲しいものから、一番遠ざかる選択やった。
それでも。
sha(……戻れん)
もう一回、昨日みたいな顔をされるくらいなら淡々としたまま、壊れた方が、まだマシや。
シャオロンは、ベッドに横になって、目を閉じた。
涙は、出なかった。
出たら、もう、保てなくなるから。
夕方になってから、体が、少しずつおかしかった。
sha(……だる)
熱っぽい、というより、芯が抜けたみたいに力が入らない。
起き上がろうとして、視界がふっと揺れる。
sha(……あ)
慌ててベッドに手をつく。
心臓が、やけに早い。
sha(……息、浅……)
深呼吸しようとしても、胸の奥で、何かが引っかかる。
sha(……落ち着け)
自分に言い聞かせる。
何度も。
でも。
sha(……ロボロ、今頃……)
考えた瞬間、喉の奥が、きゅっと締まる。
sha(……考えるな)
敬語にした。
距離も取った。
ちゃんと、“正しい患者”に戻った。
なのに。
sha(……なんで、こんな……)
目の奥が、じんわり熱くなる。
視界が、ぼやける。
呼吸が、うまくいかない。
sha(……やば)
ナースコールに手を伸ばす。
押すか迷って、でも、指が震えて、勝手に押していた。
―看護師視点―
病室に入ると、シャオロンは、青白い顔でベッドに横になっていた。
看護師「シャオロンくん?どうしたの」
sha「……ちょっと、気持ち悪くて……」
声が弱い。
明らかに、午前中より元気がない。
バイタルを取る。
熱は、微熱。
数値は、そこまで悪くない。
看護師(……でも、様子が変)
看護師「最近、何かあった?」
sha「……いえ」
即答。
でも、目を合わせない。
看護師は、少し迷ってから、カルテを確認する。
看護師「……ロボロ先生、最近診てるよね?」
その名前が出た瞬間。
シャオロンの呼吸が、ほんの一瞬、乱れた。
sha「……はい」
看護師「前は、先生来ると元気そうだったのにね」
sha「……」
胸の奥で、何かが、ぷつっと切れた。
sha「……そう、ですか」
声は、落ち着いている。
でも、指先が、シーツを強く掴んでいた。
看護師「何か言われた?厳しくされたとか」
sha「……いえ」
否定は、早かった。
sha「先生は、ちゃんと、医者として……」
そこで、言葉が詰まる。
医者として。
それ以上でも、それ以下でもない。
看護師は、それを“納得した言葉”だと思ってしまった。
看護師「そっか。じゃあ、きっと疲れだね」
sha「……はい」
疲れ。
便利な言葉。
全部、それで片付く。
看護師「少し休もうか。点滴、追加しとくね」
準備を始める音が聞こえた。
自分の心の中には苦しさがずっと残っていた。
―ロボロ視点―
「ロボロ先生」
看護師に呼ばれて、嫌な予感がした。
rbr「どうしました?」
看護師「シャオロンくん、ちょっと体調崩してて」
胸が、どくっと鳴る。
rbr「……どんな具合ですか」
看護師「微熱と、軽い過呼吸気味。数値は大丈夫そうなんですけど……」
“数値は”。
それが、
一番、信用できない言葉や。
rbr「……原因は?」
看護師は、少し言いづらそうに、でも、悪気なく続ける。
看護師「疲れかなって。あと……」
一瞬、間。
看護師「先生が最近、ちょっと距離置いてる感じだったから」
その一言で。
頭の中が、真っ白になった。
rbr「……」
看護師「前は、すごく安心した顔してたんですよ。先生来ると」
安心。
その言葉が、 胸の奥を、容赦なく抉る。
rbr「……そう、ですか」
声が、かすれそうになるのを、必死で抑える。
看護師「もちろん、先生が悪いって意味じゃなくて」
フォロー。
でも、もう遅い。
rbr(……俺や)
距離を取った。
正しいことをしたつもりで。
結果。
rbr(……シャオロン、体壊しとる)
しかも、 “俺のせいかもしれん”って形で。
rbr「……診ます」
それだけ言って、病室の方を見る。
ドアの向こう。
rbr(今、行ったら)
敬語のシャオロン。
淡々とした表情。
それでも。
rbr(……行かなあかん)
医者として。
そして――
rbr(……それ以外の理由でも)
拳を、ぎゅっと握る。
もう一回、間違えるかもしれん。
でも。
rbr(何もしない方が、もっと最悪や)
ロボロは、ゆっくり病室のドアに向かって歩き出した。
病室の前で、足が止まる。
……何を言えばええんや。
謝る?
理由を話す?
それとも、いつも通りに診察する?
どれも、正解に見えない。
rbr「……入るで」
ノックして、入る。
シャオロンはベッドに横になっていた。
点滴が腕から垂れている。
こちらを見る。
でも
――昨日までと、違う。
sha「……こんにちは、ロボロ先生」
敬語。
声も、表情も、整いすぎている。
rbr「……具合、どうや」
sha「少し気分が悪いです。吐き気と、息苦しさが」
淡々。
まるで、問診票を読み上げてるみたいや。
rbr「……」
聴診器を当てる。
距離は、ちゃんと医者と患者のそれ。
近いはずなのに、昨日より、ずっと遠い。
rbr「心拍、少し早いな」
sha「……はい」
沈黙。
……あかん。 このままやと、何も言えんまま終わる。
rbr「……なあ、シャオロン」
名前を呼んだ瞬間、シャオロンの肩が、ほんの少し揺れた。
sha「……はい?」
rbr「……昨日から、様子おかしいって聞いた」
言葉を選ぶ。 慎重に。
rbr「体調だけやなくて……気持ちの方も」
sha「……」
視線が、すっと逸れる。
sha「……特に、問題ありません」
即答。
でも。
指先が、シーツを強く掴んでいる。
rbr「……そうか」
否定は、しない。
でも、引き下がる気もない。
rbr「……俺が、何かしたか?」
その一言で。
空気が、変わった。
sha「……」
息を吸う音が、少し乱れる。
sha「……いえ」
sha「先生は、正しいことをされてます」
正しい。 その言葉が、胸に刺さる。
sha「患者との距離を、ちゃんと保つのは……当然ですから」
声が、少し震えている。
rbr「……」
rbr「それ、誰に言われた」
sha「……誰にも」
俯いたまま、続ける。
sha「……でも、そうなんですよね」
ここまでは、まだ、耐えている。
sha「俺が……ちょっと、勘違いしてただけで」
勘違い。
rbr(……やめろ)
sha「先生が優しかったのは、医者だからで」
sha「俺が、勝手に近づいただけで……」
そこまで言って。
声が、詰まった。
sha「……だから」
一呼吸。
sha「……もう、大丈夫です」
その“大丈夫”が。
一番、大丈夫じゃない。
rbr「……シャオロン、俺、シャオロンの事見捨てたりせんから…」
そう言った瞬間。
sha「……っ。……じゃあ、なんでっ」
声が、急に荒くなる。
sha「なんで、あんなこと、したんですか……!」
目に、涙が溜まる。
sha「手、握って……」
sha「外、連れてって……」
一気に、溢れる。
sha「……で、急に、何もなかったみたいにするの、ずるいよ……」
肩が、震える。 呼吸が、浅くなる。
sha「俺、また……」
言葉が、途切れる。
sha「……また、俺だけ、信じたみたいじゃないですか……!」
涙が、零れ落ちる。
sha「……嫌なら、嫌って、言ってくれたら……」
声が、崩れる。
sha「……距離取るなら、最初から、優しくしないでよ……」
それ以上、言えなくなって。
シャオロンは、顔を覆った。
―ロボロ視点―
……ああ。
rbr(……完全に、俺のせいや)
守ったつもりで、線を引いたつもりで。
一番、残酷なことをした。
rbr「……シャオロン。謝らせてくれ」
医者として、じゃない。
rbr「俺が……怖くなった」
正直な言葉が、落ちる。
rbr「近づきすぎたって、自覚した瞬間に」
rbr「急に、全部引いた」
rbr「……それが、どれだけシャオロンを傷つけるか、分かってなかった」
シャオロンは、まだ顔を覆ったまま。
でも、泣き声が、少しずつ静かになる。
rbr「……あの時間も、」
rbr「全部、嘘やない」
rbr「でも……越えたらあかん線があるのも、本当や」
rbr「……だから」
言葉に、詰まる。
rbr「……どうすればええか、分からんようになった」
沈黙。
rbr「……傷つけて、すまん」
それは、逃げない謝罪やった。
シャオロンは、しばらく顔を覆ったまま動かなかった。
泣き声も、もうほとんど出ていない。
ただ、肩だけが、小さく上下している。
やがて。
sha「……分かって、るんです」
掠れた声。
sha「先生が……悪いわけじゃないって」
ゆっくり、手を下ろす。
目は真っ赤で、涙で滲んでいる。
sha「……立場、あるし」
sha「一線、越えちゃいけないのも……」
一つずつ、言い聞かせるみたいに。
sha「……ちゃんと、理解してる、つもりで」
そこまで言って。
笑おうとした。
sha「……だから」
sha「……だから、俺が、我慢すればよかっただけなんですよね」
その瞬間。
ロボロの胸に、鈍い痛みが走る。
rbr「……それは違う」
即座に言う。
sha「違わないです」
被せるように。
sha「俺、昔から……こうなんで」
視線を落とす。
sha「優しくされると……期待して」
sha「で、相手が一歩引くと」
sha「……あ、やっぱ俺、いらなかったんだ、って」
指先が、震える。
sha「……だから」
sha「今回も、同じだなって……」
言葉が、追いつかない。
sha「俺が、調子乗っただけで」
sha「先生は、ちゃんとしただけで」
sha「……それなのに」
声が、限界まで細くなる。
sha「……なんで、こんなに、苦しいんだろ……」
そこで。
完全に、崩れた。
sha「……会いたいって、思っちゃった……」
声が、涙に溶ける。
sha「手、離されたのに……!」
sha「……また、近づきたいとか……!」
息が乱れ、胸を押さえる。
sha「……こんなの、迷惑ですよね……」
涙が、止まらない。
rbr「……シャオロン」
一歩、近づく。
シャオロンの震える指先をそっと自分の手で包み込む。
rbr「……迷惑やない」
sha「……じゃあ、なんで……」
責める声じゃない。
縋る声や。
sha「俺……ちゃんと、先生の言うこと、聞きますから……」
sha「敬語も……距離も……」
sha「……だから」
息を詰まらせて。
sha「……いなくならないでよ……」
“置いていかないでほしい”
ただそれだけの、叫び。
ロボロは、もう耐えられなかった。
rbr「……いなくならん」
低く、はっきり。
rbr「約束する」
シャオロンが、はっと顔を上げる。
rbr「俺は……逃げた」
rbr「でも、消えるつもりは、ない」
rbr「……シャオロンを、独りにする気も」
rbr「シャオロンと話すのを、やめる気はない」
涙に濡れた目が、揺れる。
sha「……それって……」
rbr「……続きは、また今度な」
今は、これ以上言わない。
シャオロンの唇が、震える。
sha「……そういうの、言われると……」
また、涙が溢れる。
でも。
さっきより、少しだけ、呼吸は落ち着いていた。
コメント
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ふぁぁぁあ、やっぱ天才ですね、もう良すぎてしにそうです、ちょっと仲が良くなって嬉しい、今帰省してるので家帰ったら♡押します!