コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
花が咲いた
其処には花畑があった
花弁がふわり、と舞った
私は今何処に居るのだろう 。
考えても解からない 。
というか考えてる筈なのに 、
考えられていない 。
唯只管に目の前にある物を見詰めている 。
取れも此れも
美しくて綺麗で華麗で 、
一言では表せない 。
はっと息を呑むような華ばかりが
目の前に咲き誇る 。
_ お嬢さんこんにちは、お客さんかな
見つめて何の位経ったのたろうか 。
身につけていた筈の腕時計も
無くなり時間が全く以て解からない 。
でも体内時計が10分を差した頃 、
男の子としては少し高めの
声が聞こえた 。
私にいらっしゃい 、と言った後
如雨露らしき物で水をやっていた 。
正直独りは心細かったから
感じた事のない安心感を覚えた 。
そして仲良く成りたいとも思った 。
_ 貴方は誰?此処は何処?
ずっと感じていた疑問 。
貴方が現れても
ヒントは見つからず 、
答え合わせから入る 。
男の子はふっと笑みを作った後
不思議な雰囲気を柔らかくして応えた 。
_ 此処は僕の花畑だよ 。 そして僕はハルカ 、宜しくね
ハルカ 、矢っ張り綺麗なお名前 。
私は聴こえない程の頷きをした後 、
忘れていた自己紹介を始めた 。
_ 私は莉菜! どうぞ宜しくね
お互いの名前を知り合い 、
少しだけでも仲良くなれた気がした 。
そこからハルカとは
沢山の会話を重ねた 。
花の名前や其の花の花言葉 、
好きな花も教え合った 。
私がアネモネで 、ハルカはセッコク 。
セッコクなんて花は
知らなかったけれど
花畑で見ることができた 。
とてもハルカに似て綺麗だ 。
ハルカと共に過ごすととても楽しい 。
此の時間から離れたくない 。
時が一刻と進むのが苦しい 。
永遠と此処に居たい
なんて願ってしまうほどに 。
_ 私ずっと此処に居たいなぁ
そう声を漏らしていた 。
慌てて口を塞いだが 、
聴こえていたみたいで
ハルカは困ったように眉を下げた 。
_ また何時か逢えるよ
そう言ってハルカは何処かに消えた 。
其後直ぐ戻り 、私に花を渡した 。
そして深い眠りについた 。