幼い頃、よくいじめられていた。
周りにいた子供たちは、体の大きいいじめっ子を恐れ、動けず、僕を助けてはくれなかった………
「その子をいじめるのは、やめなさい!」
そんな声とともに、僕の前に1人の女の子が、僕を守るように両手を広げていた。
怖いだろうに………
体は震えていて、今にも泣きだしそうなのに………
その子の目は、正義の炎で燃えていた____
冷たい病室で、僕…柊白兎《ひいらぎはくと》は目覚める…。
「………懐かしい、初恋の夢なんて」
自分の死期が近いのかもしれない。
だから、人生の後悔を、夢として見たのだろう。
なんで、あの子の名前を聞かなかったのか
なんで、もっと仲よくしようと思わなかったのか
2年前、僕の16歳の誕生日に、僕は急に倒れてしまった…。
医者は、原因不明の新しい病気だと…重々しい雰囲気で………『どうにもできない』と、そう告げた。
人は、失ったとき、初めてその価値に気づく………
後悔の波が、押し寄せてくる…。
「…………くそったれ」
僕は、涙を流しながら、他に誰もいない病室で、そうつぶやいた
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