テラーノベル
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みぃ⌒🍣
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夕暮れ前のキッチン。
ないこは社会不安障害からくる動悸を鎮めるため、流し台の冷たい水を両手ですくい、顔を洗っていた。
今日は玄関先の郵便受けを見るのすら怖くて、ずっと胸が詰まっている。
「…ないくん」
背後から声がして振り返ると、りうらが立っていた。
首にはお気に入りのノイズキャンセリングヘッドホン。
感覚過敏のせいで、冷蔵庫のモーター音や換気扇の音が今はどうしても耐えられないらしい。
「りうら、どうした? 音、うるさい?」
「おなか すいた。」
りうらは言葉の代わりに、手に持っていた小ぶりの鍋をIHの上に置いた。
ないこは深く息を吸い、胸のざわめきを押し殺しながら頷いた。
「そっか。じゃあ、一緒にスープ作ろっか。りうらは具材を鍋に入れる係ね」
「うん……ありあと」
二人は静かにに作業を始めた。
ないこがトントンと野菜を切る音は、りうらにとってはヘッドホン越しに優しく響くリズムだった。
誰とも目を合わせなくていい。
ただ同じリズムでスープの具材を鍋に放り込んでいくうちに、ないこの呼吸も、りうらのこわばった肩も、少しずつほぐれていった。