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#心のSOS
#短編
えれめんたる
35
夏も終わり、意外にも秋を感じ始める。九月。某所。
「ちょっと〜塾遅れるんじゃない?車で送ってこうか?」
私は塾に行く支度をしながら、楽しみにしていることがあった。
「いいや!いらない!行ってきまーす!」
夜の帳が下りる中、ザーザーと雨が降っている。そんな中を、私は傘をさして歩く。私は、雨が好きだ。
傘に当たる雨粒の音も、濡れて変な匂いのする道路も、車の窓から顔を覗かせる人も、楽しそうに自転車を漕ぐ人も、急いでいる人を見るのも、好きだ。
暗い中に光る、信号機の色が好きだ。見ているとどこか不安になる、綺麗で眩しい赤信号の色。
雨が降るのと降らないとで、こうも世界は変わるのか。
塾の道ながら、私は思った。
雨の呼び方はたくさんある。
小雨、霧雨、大雨、雷雨、五月雨、雨霰…ゲリラ豪雨なんてものもある。
なぜ雨だけ、こんなにたくさんの呼び方があるのか。
それはきっと、雨が昔から人間と共にいたからだと思う。
雨が降れば作物が育つ。雨が降らなければ食べ物はなくなる。
雨が降れば水が溜まる。雨が降らなければ飲み水はなくなる。
私のいること星は、生命の星。地球はほとんどが海である。水である。
水…雨も水である。雨や雨粒などいうが、あれも立派な水である。
つまり、地球にとって雨はなくてはならないものである。
そんなことを考えていると、気づけば塾についていた。傘をたたみ、水滴をおとしなか落としながら、傘立てに入れる。
建物の中はいい。雨に濡れる心配もなければ、冷たいこともない。
雨が降りすぎると川が氾濫する。東海豪雨がいい例である。
雨が降りすぎると冷たく、寒くなる。凍える人もいるだろう。
私は、雨が苦手かもしれない。
ボタボタボタッ!急に雨は強くなる。天井いっぱいに雨粒が当たる音が響く。遠くで雷も鳴ったかもしれない。
やっぱり、私は雨が好きである。
そんなことを考えているうちに、気づけば塾は終わっていた。帰り道、傘を取り出して、再び歩き始める。
雨は、いつの間にか、止んでいた。
コメント
4件
雨は好きじゃないけど、こうやって文字で雨を感じる分には楽しいなって思えますね! あと雨の匂いって不思議ですよね~雨を直で嗅いでる訳じゃないのに雨の匂いって分かるし 【️余談(いや、悲報?)】 五月雨の次がッッ、、読めないッ、( `ᾥ´ )クッ
おっ、第1話から雰囲気エグいね。 雨の「好き」と「苦手」を行ったり来たりする主人公の心情、すごくリアルで刺さったわ。特に「やっぱり好き」に戻るところが、雨ってそういうもんだよなって共感した。 で、気づいたら塾終わって、雨も止んでた、っていう日常の一瞬を切り取るセンス、好きだわ。静かなスタート、次どう転がすのか楽しみ🔥