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若井がしていることに気づいてから僕は本当は出来るだけ家にいたかった。
家にいる時、若井は帰ってこないことも誰かを連れ込むことも無かったから。
だから元貴に泊まっていってほしいと言われる度に心がぎゅっとなった。
若井の側にいたい。
でも元貴の側にもいたい。
若井はそんな僕には全く気づかずに1人で帰ってしまう。
何度行かないで、と引き止めそうになったかわからなかった。
「ーちゃん?りょうちゃん!」
「あ···ごめん···なに?」
「大丈夫?体調悪い?」
心配してくれる元貴に申し訳無かった。でも僕はどうしたらいいか不安でぼんやりしてしまうこともあった。
このままじゃだめだ。
もうすぐ再スタートだっていうのに。元貴も元気になったのに。
僕がこんなんじゃ···。
「大丈夫だよ、ごめんね」
「···ううん 」
元貴の表情が曇るのがわかった。
···大丈夫そうには、見えないのかったかな、 本当のところたまに不安が襲ってきて眠れない時があった。
自分が家に居ても眠っている間にどこかに行ってしまったらどうしよう。
誰かを連れ込んで挙句それを隠さなくなったらどうしよう。
誰かのものになっている若井を自分勝手だけど認めたく無かった。
そのせいで家でもぼんやりとしてしまって若井にも心配される始末だった。
「りょちゃん最近元気ない?夜も遅くまで起きてるっぽいし」
「なんか色々考えちゃって···」
「まぁまた活動するって決まってソワソワするし不安にもなるよね」
そう言って僕の頭を撫でた。
若井に触れられるだけでドキドキしてしまう、嬉しくなる。
「不安···なのかな、眠れなくて···若井、前みたいに一緒に寝てくれないかな···?」
別に何かしようってことじゃない。ただ側に、近くにいて欲しかった。
若井の体温を感じるくらい近くにいれば眠れるような気がしたから。
「···ごめん、それは···元貴にも悪いし···」
頭をガン、と殴られたようだった。
前には若井からそう誘われた時があったから、まさか断られるとは思ってなかったのが正直な気持ちだった。
すごくショックだった。
もう、自分じゃダメなんだ。
側にいることすら。
「そうだよね、ごめん、変な事言って!もう寝るよ、ごめんね」
「おやすみ···」
「若井!」
「ぅわっ···」
僕は若井を力強く抱きしめた。
すぐに離れたから一瞬だけ。
「ごめんね、ありがとう。おやすみ!」
急いで自分の部屋に戻って、布団を被る。
涙が次から次に溢れて声を殺すのに必死になるくらい僕は泣いた。
若井のことはもっと早く諦めなくちゃいけなかったんだ。
元貴と付き合うことにしたのに好きだなんて最低だったんだ。
好きだった、大好きだった。
けどそんなのは過去のことにしよう。
どれだけ泣いても涙は止まらなくて、目を閉じて思い出すのは忘れたいはずの若井の笑顔だけだった。
元々、恋とか愛に疎かった僕が時間をかけて好きになった人を忘れるのは苦しくて悲しいことだった。
そんな我慢して押さえつけた気持ちは最低なことに元貴の家で溢れて爆発してしまった。
コメント
3件

りょうちゃん😭😭😭😭😭 板挟みで辛いね…
あー⋯そりゃあね?爆発しちゃいますわ。こんな感じだったんね。つらっ!
はるかぜさんが せつないけどハピエンが好きをモットーにしてるから読めるものの3人ともそれぞれ苦しい😭りょうちぁぁん