翌日。
昨日のことがあってから全く眠れなかったサブローは寝不足の状態で大学へ向かっていた。
「僕に悪魔が宿ったせいだ…」
だが厨二病具合はいつもと変わらなかった。
「きっとハックだって気にしていないはずだ」
「そうだよな、ハックの事だし」
「や、やぁハック!悪に配られし暗黒の課題はやってきたか?」
「………」
「もしもーし…無視しないでくれよ……」
話題をだすが、ハックはこちらを見ずにパソコンのキーボードをカタカタと打っていた。
この調子は授業が終わってからもずっと続き…
「……」
「……」
ついにサブローはハックの見事なスルースキルに折れてしまった。
いつも通りヤルミナティーの部室に向かった。
だが部室にはハックとサブロー以外誰もいなかった。
部室につき、ソファーに二人は座る。
ハックはいつも通りPCで情報収集をする
なんだか僕、空気になったみたいだな…
そろそろ耐えきれなくなったのか、今日のところは諦めて帰ろうとした。
「はぁ…」
部室の扉を開けようとすると
「……」
ハックはもう片方の手を握って帰るのを止めた。
サブローは胸をドキドキさせながらハックの方をむく
「…サブローくん…」
「な…なんだ…?」
ハックは顔を真っ赤にしたまま聞いてきた。
サブローはポカンと呆然としていた。
「へ!?だってハックの事だし気にしてないと…」
「流石の俺でも気にするっすよ……本当馬鹿っすね…」
真っ赤になった顔を隠すハックを見て、つられて顔が赤くなってしまった。
「き…昨日はすまなかった。ハックだと思わなくて…」
「いいっすよ…もう返したんで」
「な、なんで返したんだ?」
「サブローくんからされるのがなんかウザかったからっす」
「なんでだよ!?」
そう言って二人は一緒に笑い始めた。
でも心臓のドキドキはずっと収まらなかった。
俺はサブローくんの事を
好きになっちゃったんすね…
ハックはそう思いながらサブローに聞いてみる。
「サブローくん、俺と!…」
「れっくん!!遅い!!」
「ここにいたでありますか!!」
部室のドアを思いっきり開けて、仲間のティラとシャボがそう言う。
「あれもしかしてお取り込み中だった?」
「ぼ、僕とハックは”そういう関係”じゃない!!」
「…!」
”そういう関係”という言葉に反応したハックは、言おうとしたことをごくりと飲み込んで言うのを辞めた。
まだ、言えそうにないっすね…
「カエルパーカー!ダーリンに手出さないでよね!」
「俺じゃなくてタブーさんの方が危ないっすよ」
ハックはそう言うとサブローは仲間と一緒に帰って行った。
もうちょっと、仲良くなってから言おうっす。
だからこの想いはまだ閉まっておくっす。
ずっと開きっぱなしのPCを閉じた。
コメント
3件
でへへ
好きです(´;ω;`)✨
10話と11話がなんか入れ替わってるけど気にしないでね!