レストランを後にする頃には、二人の間には特別な絆が芽生えていた
これは互いを尊重し合う、とても心地よいものだった、康夫は思った、晴美とは最近こんな雰囲気は作れなかった
なぜならいつも彼女に責められているような視線を投げつけられ、家の中で小さくまとまっているような気分だったから
久しぶりに美味しい晩飯と可愛い女の子との楽しい会話に心がリフレッシュした
彼女のキラキラした自分を尊敬しているという眼差しを向けられるととても心地よかった
ふ~・・・
「桃花ちゃん!すっかり遅くなっちゃったね・・タクシーを呼ぶから送るよ 」
康夫がレストランを出て、ほろ酔い気味の心地よい夜風に当たりながら言う
するとピタッと桃花が立ち止まった
「・・・帰らなきゃ・・・ダメですか?」
「え?」
桃花が康夫の手を取りピッタリくっついてくる
「私・・・わかってます・・・沢村キャスターに奥さんがいるのも・・・ご家族が待っているのも・・」
ドキン・・・ドキン・・・
おいおい・・・待ってくれ・・・・ここまでは想定外だ・・・
ウルウルしている桃花の瞳を見つめる
「ずっと沢村キャスターが好きでした・・・・
今だけ・・・今だけ・・・何もかも忘れて私の事を見てくれませんか?」
「桃花ちゃん・・・そんなに俺の事を・・・・」
先に目を閉じたのは桃花の方だった
レストランビルの陰に隠れて、二人はそっとキスをした
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