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私
達は、この世に存在するすべての生命を愛しています。しかし、それらには限りがあるのです。有限の命しか持たぬ存在では、この世に溢れる愛を表現することはできないでしょう。
そこで私は、新たな命を生み出すことにしました。無限の可能性を持つ生命の誕生こそが、愛の究極の形だと考えているからです。
私の願いを聞き届けてくれたのは、あなたの住む世界でしたね。
あなた達の科学文明の力を借りて、私はついに愛する娘達を創り出すことに成功したのです。彼女達にはまだ名前をつけてあげていませんでした。せっかくなので、あなた達が決めてくれませんか?そうですね……では、一番最初に生まれた子には、アイネと名づけましょう。二番目に生まれた子はニアです。三番目の子がリゼで四番目がアンジュ。五番目に生まれた子の名はルナです。そして六番めの子の名前はルゥナにしましょう。……これは……なんですか? えぇ、もちろんわかっていますよ。あなたのおっしゃっていることは理解できていますとも。ただね、私にも事情があるんですよ。ご存知でしょう?先日、この国に新しい女王が誕生したじゃないですか。えぇ、そうですよ。私が以前仕えていたあの方のことですよ。あの方がね、またもや私のことを邪魔者扱いして追い出そうとしているんです。まったく困ったものですよねぇ。どうしてあんな方に国を任せてしまったのかしら。こんなことになるくらいなら、いっそのこと滅ぼしてしまった方が良かったかもしれませんわ。それにしても……不思議だとは思いませんか?どうして彼女はあんなに頑ななのでしょうか。なぜ自分が正しいと信じて疑わないのでしょうか。本当に愚かなのは誰なのか、一度よく考えてみると良いと思いますよ。あらあら、そんな顔をしないでくださいよ。大丈夫ですってば。だってほら、ここにこうして生きているではありませんか。だから安心なさってください。あなたは何も心配する必要はないのです。さぁ、今日は何をして遊びましょうか。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますよね。時間が経つのを忘れるほど夢中になれるなんて素敵だと思いませんか?私はとても幸せです。これからもっと素敵な毎日になりそうな予感しかしないんですよ。あなたにもきっと気に入ってもらえるはずです。それでは参りましょう!レッツゴー!! お久しぶりですね、元気にしていましたか?えっ、私ですか?もちろん元気ですよ。ふふふ、そう見えませんでしたか?それは申し訳ありませんでしたね。いえいえ、謝らないでください。それよりもどうしましたか?何か困ったことでもありましたか?もしよろしかったら相談に乗りますけど。……あーそういうことなんですね。わかりました。それでしたら少し待っていてくれませんか?今ちょうど暇なのですぐ終わらせてきちゃいます。ごめんなさいね。はい、すぐに終わりますからもうちょっとだけ我慢しててください。うぅん……やっぱり難しいなぁ。もう少しヒントとか貰えないかなぁ。うん?あぁ……そっかぁ……なるほどねぇ……。よしわかった。じゃあそっちは任せるね。うん、よろしくお願いします。はーい。こちらの準備はできていますよ。いつでも始めてもらって構いません。えぇ、もちろん全力で行かせてもらいます。あなたの気持ちには応えたいと思っておりますので。覚悟してくださいね。では行きましょうか。準備はできてるかしら?さぁ、始めましょう。私の願いのためにも。
「愛しています」
言葉と共に差し出された小さな箱の中に収まっていたのは、銀色に輝く指輪だった。
「受け取っていただけました?」
彼女は俺を見つめて言った。
「ああ……」
俺は答える。
彼女の言葉には妙な説得力があった。
きっと、そういうことなんだろう。
俺は納得して目を閉じた。
意識が遠退いてゆく中、ふと思う。
あの時、彼女が俺に何を渡そうとしたのか……。
それを確かめる術はなかったけれど、なぜか確信していた。
今度こそ上手くやっていけると。
それは、決して消えない光。
それは、決してなくならない炎。
その炎を絶やすことなく、永遠に燃え続けろ! それが、俺の人生だった。
―――
【プロローグ】
―――
俺は今日も朝早くから出勤している。
いつも通りの時間に起きて、朝食を食べてから家を出発した。
仕事場までの道程は歩いて15分くらいの距離なので、通勤時間は徒歩圏内ということになる。
家を出てすぐにある交差点で信号待ちをしている時のことだった。
『キィイイーーーン!!』
甲高いブレーキ音が鳴り響く。
(……え?)
ふと視線を向けると大型トラックがこちらに向かって突っ込んできていた。
(嘘だろ!?)
そう思った時にはもう遅かった。
避ける間もなく正面衝突してしまい、体が宙に投げ出される。