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「翔太くん。俺と付き合ってください」
という俺の一世一代の告白は、初手から「いいよ。どこまで?」という天然ボケに危うく潰されそうになったのだが、「死がふたりを分かつまで」と即座に返してやった為、なんとか有耶無耶にならず無事終える事ができた。
「”死”って。重くね、お前。いくら天下の目黒蓮でも、それ言われた女の子はドン引きしちゃうかもよ」
「知らないよ、そんなの、女の子の反応なんか。……俺は、翔太くんに言っているんだけど」
俺のセリフに翔太くんは困ったような表情を浮かべ、眉を下げて「うーん?」なんて言っている。
やばい、今日の翔太くん、何故かお兄ちゃんモードだ。
“お兄ちゃんモード”の翔太くんは、俺と康二とラウールを可愛がる傾向にある。
具体的に言うと、甘えてくる康二に文句を言わず好きにさせたり、ラウールへウザ絡みしたり(ラウールに怒られるまでがワンセット)、俺をベタベタに褒め殺ししながら頭を撫でてくる、など。
役得じゃん、と思われるかもしれないが、いや、普段は多少そのように思っている節はあるのだが、今は全くその時ではない。
「めめ、お前、疲れてんじゃね?いつも頑張ってるもんな。偉いなぁ」
そう言ってやはり俺を褒めながら、男性にしては小さめで華奢な手を伸ばし、俺の頭を優しく撫でてきた。
とても告白してきた相手にするような態度ではない。これは完全に弟や子どもに対するソレである。
せっかく頑張って告白したのに。
ひどいよ、翔太くん。
悔しくて悔しくて、胸の奥から熱いものがこみ上げてくるのを感じながら視点を地面から翔太くんへと切り替えると、やはり翔太くんはお兄ちゃんモードのままで、慈愛に満ちた表情で俺へと微笑みかけてくるのであった。
その瞬間、俺の中に芽生えたのは静かな闘志。
元々負けず嫌いなこと、目の前の問題が困難であればあるほど燃える性質なこと、それらの困難を乗り越えた時の達成感は何物にも代えがたい。
翔太くん。
待ってろよ、ぜってー落としてやるからな。