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#大人恋愛
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「リュウくん!これ、超ーーー美味しいよー!!」
「先輩、テリーヌ好きなの?」
「テリーヌっていうの?」
「今度、うちで食べさせてあげようか?」
「ええ?!リュウくんって、もしかしてお料理上手なの?」
「うーんと……」
「こちらどうぞ」
ウェイターさんが運んできてくれたシャンパンを持って、二人で乾杯した。
「わあ〜!本当に、こんな感じなんだね!美味しすぎる!」
「全く……」
リュウジがため息混じりで笑っている表情を見て、サンゴはまた彼の頬に触れてしまう。
「リュウくん!こんな最高に素敵なところに、私を連れてきてくれてありがとう」
「?!」
「私、このホテルも、このレストランもね、すごく憧れだったんだ。リュウくんが賞取ってくれたおかげで、こんなところに来れて嬉しいな!」
「先輩……」
サンゴのまっすぐなお礼を聞いて、リュウジは彼女を思い切り抱きしめてしまいたかった。思いっきり顔を寄せ、近づいて耳元で囁いた。
「もう!後で抱きしめさせてよ?」
「ええ?!」
そんなやりとりの中、壇上には司会が登場した。会場が暗くなり、次々にコンペの受賞作品が映像などで紹介された。
会場はその度に、拍手喝采が起こる。紹介された受賞者は、壇上を降りると、多くの企業やイベント会社の人たちと名刺交換などをしていた。
「それでは次は、最高優秀観客賞です!」
「人気ナンバーワン作品のご紹介です!」
司会からの紹介で、ついにリュウジの企画が映し出された。
「わあ!リュウくんのだあ!!!!」
会場からの大きな拍手に、リュウジは一度、辺りを見回して頭を下げた。
サンゴまで、得意げな気分になって、腕を大きく構えて大きな拍手をしていた。
すると、たくさんの人が拍手をしている会場の反対側でも、複数の男性達も嬉しそうに周りに頭を下げているのがチラッと見えた。
「あれ?向こうに、うちの取締とか、ああ、グループ企業の会長とか社長も来てるんだね!後で挨拶行かなきゃ!!」
サンゴの声に、リュウジもそちらの方へ目をやった。
「ああ、ほんとだね」
「こじんまりとか言って、すごい人いるなーって思ってたけど。受賞者と担当だけじゃなくて、受賞した企業の重役さん達もみんな来てるんだね!」
「まあ……そうなんだろうね……」
辺りを見回しているサンゴを置いて、リュウジがふと席を離れた。様々な企業の方と、名刺を交換して、ご挨拶をしていた。遠目からその様子を見ながら、サンゴの胸の奥がやはり熱くなっていた。
すると、挨拶をしていた企業の方々を連れて、リュウジが戻ってきた。
「?!」
「あなたが有村先輩ですね?授賞式、拝見していましたので」
「HP見せて頂きましたよ」
「ぜひ我が社でもコラボを……」
リュウジと一緒に、サンゴも名刺交換をして、企画や打ち合わせなどの話を持ちかけてもらえた。特に二社とは話が盛り上がり、すぐに部長に報告しなければいけなくなりそうなレベルだった。
「出てよかったね!!」
「本当に!!」
「明日すぐ、部長に確認取ろうね」
「はい!!」
「では、受賞者の皆様には一度、壇上に上がっていただきまして……」
司会の合図を聞いて、サンゴは彼を見た。
「いってらっしゃ〜い!」
「うん」
階段を上がりながら、リュウジはこちらへ笑顔を向けた。サンゴは、その背中を見送ることのできる自分が、誇らしくて嬉しかった。
コンペのすぐ後の授賞式と同様、簡単な挨拶をしながら、サンゴの名前を出してくれたリュウジに彼女は心から感動していた。スピーチを終えた人たちが挨拶を終え、降りてくるのが見える頃。
会場の向こう側にいたはずの取締役や、グループ企業の幹部が、部下達を連れてゾロゾロと歩いてやってきた。
(わわわ!伺わなければいけなかったのに!!)
自ずと背筋に力が入る。
急いでご挨拶をしなければと思い、大きな声で頭を下げた。
「専務、社長、会長、ご苦労様です!!」
すると、専務を置いて、社長がこちらへサッと近づいてきた。
「あなたが、有村サンゴさんですね。うちのドラ息子が、大変お世話になっているそうで」
社長は低姿勢で、サンゴのすぐ目の前にきて、深々と頭を下げ始めた。
「えええ?えーっと、はい。社長、いつも本当にお世話になっております」
サンゴは一瞬、自分が何を言われたかわからず、とにかく頭を下げた。
(んんん?息子?)
頭を上げると、社長は満面の笑みで今度は握手を求めてきた。
そのまま手を差し出すと、強い力で握手された。
「どうかどうか、これからもうちの息子のご指導やら何やら、とにかく公私ともども、全てよろしくお願いしますよ。有村サンゴさん!!」
笑顔で頭を下げる社長を前に、思考がフリーズする。
(何を言ってらっしゃる……?)
何もわからずに、固まっていると、社長のすぐ隣に並んだ会長も大きな声で笑い出した。
「ははは!本当に、あの怠惰な坊主が、こんな全国区の賞を取れるなんて。驚きましたよ!全て有村さんのおかげですよ」
そういうと、会長は杖を持ったまま、深々と頭を下げた。
「え?一体……」
コメント
1件
いやー、リュウジの正体にびっくりしたわ!社長のドラ息子って…確かに「うちで食べさせてあげようか」とか余裕あるし、最初から違和感あったけどここで来るか(笑)。サンゴがまっすぐお礼言ってるところとか、リュウジが壇上で名前出してくれたエピソードにグッときた。次どうなるか気になるー!🔥