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私はピアノが好きだ。

鍵盤を押すだけで,音が出る。

其れだけなのに,私の中の何かが満たされる

この時だけは,

“本当”の自分で居られる。


だから,ピアノが好きだ。


私を音と言うもので優しく包み込んでくれるから……


本当の私も全て,包み込んでくれるから。


毎日の日課,



今日も私は,誰も居ない音楽室でピアノのを引く,本当は買って家で引きたいけど,親に必要ないと言われたから,




ピアノを引くと,自然に涙が流れ,止まらない。




引き終わると,其処には……









人が居た。




“人”と言う事だけは分かった。でも,性別や,生徒か,先生か何て分からない。





頭が真っ白になって,何も考えられなかった嫌われてしまうかと思った。


本当の自分を見られたら,”又”嫌われて仕舞うあの時の様に…… 








嫌だッ!嫌わないでッ!!




“置いていかないでッ!!!!”







息が荒くなり,苦しい,

どうやって息って吸うっけ?

分からない。






只,苦しい。




息が,




 



意識が朦朧として,


周りが曲がって見える。


此処は?


自分は?



“何?”




分からない。




分からないのが,怖い。



ねぇ,誰か……


“私って何?”











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