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この世界には、少し前から語り継がれる物語がある。
英雄譚。
革命譚。
救済譚。
そして、裏切りの物語が。
・ ・ ・
煌暦1815年。
空には二つの月が浮かび、蒸気と魔法が共存する大陸アルセリア。
酒場でも。
学校でも。
王都の広場でも。
大人は子供に同じ話を語る。
「少し前にさ、この国には英雄がいたんだって」
「いや、英雄なんかじゃない。最後は世界を裏切った化け物だ」
「本にそう書いてある」
「俺のじいちゃんも言ってた」
「5年前から聞かされてるよな」
誰も疑わない。
それは世界を動かした歴史であるから。
王立図書館。
数え切れないほどの本が並ぶ中、一冊だけ分厚い革表紙の本がある。
表紙には金色で刻まれていた。
『五人の偽英雄録』
ページを開けば、そこには五人の肖像画。
優しそうに笑う青年。
眠たそうな青年。
眼鏡を掛けた穏やかな青年。
白髪で柔らかな笑みを浮かべる青年。
いたずらっぽく笑う青年。
そして、その横には大きく書かれている。
《世界を裏切った五人》
と。
その本を読む子ども達は目を輝かせて言う。
「この人達が悪者なんだ!」
「世界を滅ぼそうとしたんだよね!」
「悪者だから、今いないんだ!」
教師も頷く。
「そうです。この五人は決して真似してはいけません。」
「力を持った者は、必ず傲慢になります。」
「だから歴史を学ぶのです。」
誰一人として反論しない。
できないからだ。
教科書にも。
新聞にも。
聖典にも。
王国史にも。
全て同じことが書に加えられている。
だが。
5年前に発刊されたが、誰も読まなくなった書物には。
あの日、彼らは世界を救った。
あの日、彼らは誰より笑っていた。
あの日、民は涙を流して感謝していた。
なのに。
三日後。
“世界は彼らを裏切った。”
そう記されている。
まるで世界の偽英雄を擁護するかのような本。
そこから先は黒く塗り潰されている。
まるで。
誰かが読まれては困るとでもいうように。
そう、今から五年前。
煌暦1810年。
この国には五人の偉人がいたのだ。
一人は。
国中を襲った災厄スタンピードをたった一人で食い止め、多くの命を救った才ある男。
英雄 ドズル。
一人は。
苦しむ民のため、富と権力に支配された社会を変えようと立ち上がった希望と呼ばれた男。
革命家 ぼんじゅうる。
一人は。
誰よりも国を愛し、人を信じ、笑顔で誰にでも手を差し伸べた青年。
愛国家 おんりー。
一人は。
行き場を失った子ども達を集め、世界一優しい教会兼孤児院を築き上げた聖者。
救済者 おらふくん。
一人は。
二百年間止まっていた文明を一気に進歩させ、人々の生活を豊かにした天才。
発明家 おおはらMEN。
彼らは確かに存在した。
確かに世界を救った。
確かに人々に愛された。
それだけは紛れもない真実だった。
だが。
歴史は彼らをこう記す。
「五人の偽英雄」
と。
世界に手を差し伸べた者達は。
世界を嫌い。
世界を救い。
世界を見放し。
それでもなお世界を愛し。
そして最後に
世界を壊す者となった。
これは。
英雄が悪になった物語ではない。
英雄を、世界が悪にした物語である。
皆様お久しぶりです
お久しぶりなのに、チャットノベルの方更新してなくてすみません。
考えてたのがスランプみたいなので全部吹っ飛んで次どうしようかな〜、とか思ってたんです。
そしたらですよ。
なぜかね、なぜか思いついてしまったノベル連載。
もちろん最強の暗殺者の方も更新したいししようと思ってるって言い訳をします。
本当にちょっと、ちょっとずつ物語作っていき、できた都度更新します。
なんなら、このノベルの方はメモに書き溜めすらもしてるので高頻度…かもです。
コメントしてくれた人返してなくてごめんなさい!!
で、今回のこちらプロローグでございました。
なんならバドエンにしたいし、これをフォロワー様600人記念の作品とします。
めちゃいい案出してくれた方いたんだけど、私の想像力が追いついてなかった…
よければ、ハート、コメント、よろしくお願いします…!!!
それでは、また
コメント
9件
え…神作決定だw ちょっと考察enjoy勢動きます!やってみるぜ!
新作ありがとうございます! 楽しみです!
こむさんの書くバトエン好きなので嬉しいです…!! 新作凄く楽しみです!!✨️