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#怪異
イキリ火の玉
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ああっ、めっちゃ緊迫してる…!!😱💦 奥原さん、やっぱりただ者じゃなかったね…にこにこしながら村のルール押し付けてくる感じ、ゾッとするよ…。親分の足の怪我の描写が生々しくて鳥肌立ったし、情報が武器って努くんの気づき、ここでくるか〜!ってなった。梶さんの冷静さが逆に怖いというか、でも信頼できるなって思えたシーンだった…!次どうなるか気になりすぎる…!😭✨
「ほれ、ドクダミの茶じゃ」
奥原は声を弾ませて二人に湯飲みを渡した。
「うれしそうだな」
「寒村じゃ。村人が増えるのはうれしいものじゃよ」
梶の冷たい視線を気にした様子もなく答える。
「ちぃこのことは知っていたのか?」
「知らん。使い様を名乗った者はあの子が初めてじゃ。なんせ知られたらハザマビトに狙われるからのう」
「ほう、それでケツシやハザマビト、あとニエビトだったか、それらについてはどこまで知っていたんだ?」
重要な話しをしている。努は二人の会話を聞き逃さないようにしていた。
「あんたらと同じ、お堂の書物の内容程度じゃよ。ワシはこの村で生まれた。だから最初からニエビトじゃった。ケツシというのがこの村に人を連れて来て、最初の満月を迎えるまではハザマビトとして夜は別々になることくらいじゃ」
「そうか……」
梶は懐を探り携帯電話を取りだした。そして画面を見るとチッと舌打ちをしてその画面を努に見せた。
「……あ、電波が」
高台にあるお堂ですらフルで通じていた電波が圏外になっていた。
「トンネルも消えているのか?」
「もちろんじゃ」
奥原はニヤニヤしながら答えた。ただ者ではないと思っていたがハザマビトである努たちがニエビトになる満月まで奥原は猫を被っていたのだ。
「で、話しとやらはなんだ?」
「この村のルールを知ってもらおうと思ってな」
「明確な上下関係があるということか?」
「やはり気がついておったか」
奥原は感心顔だがそれについては努も気がついていた。奥原の手下らしき10名ほどの男たちのちゃんとした衣服やボロ服の村人に対する態度からそれはわかった。
「まあ、あんたらの立場については……」
奥原の話を遮って扉が激しく叩かれたあと乱暴に開けられた。
「奥原さん! 大変です!」
入ってきたのは奥原の手下の中年男性だ。確か集会所に残っていたはずだ。
「なんじゃ?」
「体のでかい奴が親分さんを……」
「オヤジさんがどうした?」
梶は玄関に向かいながら訊いた。
「でかい奴が親分さんに襲いかかって怪我を」
「クソッ」
最後まで聞かずに走り出した。努も奥原も集会所に向かう。着いた時には一応混乱は収まっていたが……。
「これは……」
その光景を見て言葉を失う。親分は泡を吹いて気絶していた。何があったのか右足の膝が変な角度になっている。確実に折れているだろう。
「なにがあった?」
梶は安田を押さえている沢村と木村に訊いた。
「オ、オヤジさんが、お前が原因だろって女に襲いかかって、そしたら安田が親分を……」
「そうか……」
どうやらちぃこに襲いかかった親分を安田が返り討ちにしたみたいだ。
「ちょうど良かったの。そいつの扱いをどうしようか迷っていたところじゃ」
「どういう意味だ?」
梶は奥原を睨む。
「次の生け贄は、そいつにする」
「んだと、てめえっ!」
木村が立ち上がった。
「この村で怪我人の治療が出来ると思うか? 無理じゃ。働くことも治ることも無理なら生け贄になってもらうしかない。無駄に死なれたらもったいないからのう」
「梶さん、やっちまいましょう。こんな奴ら素人ですよ」
沢村もいきり立っていた。ここにいる村人は奥原を除いて五人。全員が手に武器を持っている。
「やめておけ」
梶は冷静に答えた。
「どうしてっすか!? 武器なんて奪えばいいじゃないっすか!」
「武器のこともあるがそれ以上に相手は命がけだ。次の生け贄に選ばれなくてすむのだからな」
「消極的な者は次の生け贄になるからのう」
勝ち誇った奥原。
「そのジジイを人質にすりゃあいいでしょう」
「それも無理だな。長岡、説明してやれ」
「ええ? えっと……」
突然ふられて困惑しつつも努は考える。人数では圧倒的に村人が多い。逆転するなら相手のリーダーである奥原を人質にするのは合理的ではある。しかし梶は、それは無理だと考えている。その理由は……。
「ちぃこと同じですね」
奥原は妖怪に対する知識や生け贄の儀式のやり方などの情報を持っている。奥原が死ぬと正しい儀式がおこなえずに妖怪に全滅させられる。そう、この村では情報が一番の武器になるのだ。
努の説明をヤクザ達は黙って聞いていた。
「そういうことだ」
そして梶はその一言で反抗は諦めたようだ。
「この村で生きていきたいのならワシの指示にしたがうんじゃ。なーに、ワシは梶さんのことを気に入っておる。悪いようにはせんよ」
そうして親分が村人に連れて行かれるのを梶も愛人のミサも黙って見送った。