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食事を終えると、アルフレッドが目を覚ました。



「……ラスティ様、私は……」

「死んでなかったよ、お前は。心配させやがって」


「も、申し訳ございません。今回の件、主を守れなかった私の不徳の致すところ……なれば、全身全霊の誠意を――我が腹を切って詫びましょう。ラスティ様、どうか介錯を」



いつの間にか包丁を手にするアルフレッド。



「やめんかッ!!!」



マジで自決しかねないので、俺は止めた。



「で、ですが」

「お前は俺の執事だろ。なら、俺の命令は絶対だ。生き恥でもいい、足掻いて足掻いて足掻き続けろ。それが俺に、いや、みんなに対する誠意だ」


「……ありがたき、お言葉です」


ダバ~っと例の如く涙を滝のように流すアルフレッド。まあいいか、生きてくれるなら、俺はそれでいい。





さあ、もう今日は寝よう。


自室へ戻り、固い木製ベッドへ横になる。そろそろ『糸』でもゲットしてフカフカのマットとかシーツを作らないとな……これは体によくない。節々が痛い。



寝具もなんとかしないと――そう思いながら、俺は泥のように眠った。




――少し寒い朝を迎えた。


眠たい目を擦り、起床するとノックが響く。



『おはようございます、ラスティさん』

「スコルか。今丁度起きたところだ。入っていいぞ」

「お、お邪魔しますね」


いつものエルフの民族衣装のスコル。相も変わらず金髪がキラキラと輝いている。あの自然界にしかないような深緑の瞳で見つめられると、ドキドキするな。


俺のベッドに腰掛け、スコルは俺を見つめた。


「どうした、スコル」

「ラスティさん……あの、今日は久しぶりに二人きりで何処かへ行きませんか!?」


おぉ、そういう事か。

スコルからのお誘いってわけか。


ん? でも、どうして?


みんなとではなく、俺と二人きりとは……う~ん。でもまあ、俺もたまにはスコルとペアで行動したいな。


「分かった。スコルにはいつも料理とかでお世話になっているし、そのお礼も込めて今日は二人で島を歩こう」

「ほ、本当ですか……嬉しいなぁ!」


めちゃくちゃ嬉しかったらしく、スコルは俺の腕に抱きついてきた。……うわッ、なんか弾力のあるものが腕にィ!!


「…………おふぅ」

「ラスティさん、なんか耳まで真っ赤ですけど」

「ス、スコルのせいじゃないか……」

「あっ、ごめんなさい」


気づいたのか離れてくれた。

……スコルって柔らかいなぁ。



部屋を出て、一階のリビングで朝食を済ませた。今日はバナナを食べた。普通のバナナなのに、なんて美味。まるで高級食材を食べている気分だ。勢いでモグモグ食ってしまった。栄養価も高いというし、これは朝にバッチリだな。



「――というわけで、ハヴァマールとアルフレッド。今日は、スコルとの先約で二人で出掛ける。悪いけど、食糧確保を頼むわ」


「な、なんだって!! 兄上、この余を置いていく気か!!」

「兄ちゃんの言う事は聞くものだぞ、ハヴァマール」


ハヴァマールの頭を撫でながら懐柔した。


「ふにゃー…分かった。兄上の言う事は聞くのだー」


よしよし、ハヴァマールの扱いはもう攻略済み。これでもうバッチリだ。あとはアルフレッドだが――わなわな震えているな。



「ラスティ様! せめて護衛は必要でしょう」

「いらん。寧ろ、アルフレッドがハヴァマールの護衛をしてくれ」

「で、ですが……」

「命令だ」


「ご命令とあらば……うけたまりました」


あっさり身を引いた。

よ~し、これで出掛けられるな!





玄関を出て、スコルが足を止めた。


「どうした」

「支援魔法を掛けますね」



手をこちらに向け、スキルを発動する。

これは支援の『キリエ』と『グローリア』か。そうだな、スコルの支援魔法も強化してやりたい。今後、またボスモンスターと遭遇する可能性もあるし。



「ありがとう、スコル。じゃあ、材料集めに行こうか!」

「はいっ、ラスティさん!」

無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

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