※死にたい、というお話 注意
別作品「しあわせなゆめ」の7(5)話のつづき(目指していた方向ではない気がしたため供養)
もしかしたら一部使うかもわからん
必死の解毒剤は、まるでが効果なかった。
どろりと、心に重油みたいな液体ばかり流して、いっそう、視界が、曇って。
後遺症。
今も首を締め付ける、この赤い痕は、滲むばっかり。
……つめたい病室に、ひとりでいた。
ただなんとなく、いきたくないなあ、なんて思っては、隅に飾られた哀れな花を見ていた。
「……。」
ねぇジュリエット。あなたも恋を失くしてしまったの。?
「………おんりー。」
びくり、身体が跳ねる。
彼の声を無視するのは、心臓が、眼球が、許してはくれなかった、から。
「…なんであんなことしたん?」
「………。」
真剣な声がこわい。
いまは、いまは、音を立ててボコボコにされるより、言葉の鈍器で痛めつけられる方が、ずっと、こわい。
物理で死ねなかった。
精神で死にたかった。
ぼんさんの花の毒で、殺してもらえば、よかった、
「………、…いえない、」
「…っ、はぁ、…?、」
…今にも、飛びかかって何か叫んでしまいそうな目だった。
「おんりー。!」
「…ひ、……や、やだ……、ごめんなさい、」
「……、…ちがう、ちがうん、よ、…なんで?……おんりぃ…、」
「…………」
「…しんでほしくない!」
「………うん。」
「みんな悲しむんよ!?視聴者さんも、俺らも、…みんな、なぁ、……いっぱい……、くるしいんよ、しぬの、は、」
…なんにもしらないくせに。きっと、おらふくんには、命を捧げてでも愛したかったひとのことなんて、解らない。
「それでも、…会えるかもわからんぼんさんのとこ、行きたい!?」
「…………いきたいよ。」
「……~~~…っ、…はぁ、ごめ、」
「………。」
心底、心配している、という表情だった。
痛々しい。切ない。精一杯の愛情を、くれたんだね。
こんなに意気地無しの自分に。
ごめんね。あなたが優しいのは、きっと自分が、いちばん分かってる。
でもつらかった。
こんなに自己中でごめんなさい。でもこれくらい、ゆるしてほしい。誰も悪くないって、言ってよ。?
「…そんなん………、ち、ちがうやろ、おれぁ、おんりーのこと、だいすき、やから、」
ちがう。その「大好き」が、今は邪魔なんだよ。おらふくん。
「……やだ、…しんでほしくないぃ………、」
「………ごめん。」
「なぁ、あ、おんりーッ、まだやり残したこと、いっぱいあるやろ!?おかしいやん……、こんなの、」
「…、………。」
きっと、自分は、死んだめを。していたと、思う。
ううん、きっと、あの人のそばに居られなくなった、あの日から。あの瞬間から。
「…………おらふくんは何もわかってない」
「…………~~~…っ。」
自分のことしか考えてないじゃん。
そんなの、俺だっておなじ。だけど。
「………………ごめん。もう、帰って。」
「………………………。」
がら。ら。
「…、」
ごめんなさい。
ごめんなさい。
…でも、もう、責めないで、ほしい。
「………はぁ…っ、」
くるしいばかりの嗚咽と二酸化炭素を、ふっと、こぼした。
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